マナーうんちく話《そもそも鬼とはどんな存在なの?陰陽道と節分の在り方》

平松幹夫

平松幹夫

テーマ:歳時記のマナー

1月は「いぬる」といいますが、今年もいよいよ雑節の一つ「節分」がやってきました。
ちなみに節分は二十四節気以外の季節の変化を目安にする日のことです。

今では養鶏が発達していますから卵は年中簡単に手に入りますが、旧暦の世界ではこの頃から鶏が卵を産み始めます。

このコラムで何度も触れていますが「節分」とは、季節を分ける日です。
日本には4つの季節が有りますから、立春、立夏、立秋、立冬の前日が節分になります。

そして節分は季節の節目ですからなにもかも不安定な状態になり、様々な出来事が起こりやすくなります。

だから節分には色々な行事がとり行われるわけです。
中でも立春の前日の節分は一年のスタートを迎える大切な日ですから、室町時代から特に邪気を払う行事に重きがおかれたといわれています。

「豆まき」はそのために行われると認識して頂いたらいいでしょう。

この豆まきは平安時代に中国から伝わった「追なの儀式」、つまり悪魔を追い払う儀式に由来します。

ところで現在の豆まきは鬼をはらうために行われますが、それでは鬼とはどんなものでしょうか?

遠い昔は、鬼は姿が見えません。
病気や飢えや風水害などあらゆる災いを起こすものを総称していたようです。

それが中国から伝わった陰陽道の思想などにより、現在描かれているような姿になったのではと言われています。

ちなみに大豆は穀物であり、穀物には邪気を払う効果があると信じられています。
そして鬼は火が嫌いですから、大豆を炒って火気を加味するわけです。
加えて鬼が近付かないようにするために、鬼が嫌がる柊のとげや鰯の頭を玄関に置く地域もあります。

そして今では巧みな商業主義に乗って「恵方巻き」が幅を利かせるようになりましたが、この恵方も陰陽道の影響を受けて定められたものです。

福や徳をつかさどる「歳徳神」は一定ではなく、毎年所を変えます。
その年に歳徳神がいるとされるのが恵方です。

マスコミの影響のせいで多くの人が恵方巻きを食べますが、節分は季節の分かれ目です。

邪気が外部から家の中にはいらないように、豆をまくとか、柊や悪臭が漂う鰯の頭を飾りますが、それと同時に、自分の心と体を清めるのが本来あるべき姿だと考えます。

新しい年に向け心を切りかえるのもお勧めです。
散髪や髭をそって体をすっきりするのもいいでしょう。
また近所の氏神様にお参りするのもお勧めです。

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平松幹夫
専門家

平松幹夫(マナー講師)

人づくり・まちづくり・未来づくりプロジェクト ハッピーライフ創造塾

「マルチマナー講師」と「生きがいづくりのプロ」という二本柱の講演で大活躍。「心の豊かさ」を理念に、実践に即応した講演・講座・コラムを通じ、感動・感激・喜びを提供。豊かでハッピーな人生に好転させます。

平松幹夫プロは山陽新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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