マナーうんちく話502≪会話の中に季節の話題を積極的に!≫
丁度今頃から初冬にかけての空模様に「時雨」があります。
ふいに降り始めたかと思えば直ぐに止んで青空になります。
降る時間帯により「朝時雨」「夕時雨」等の名前が付けられています。
時雨が降り始めると、いよいよ冬支度が必要になりますが、人間だけではありません。動物達もしかりです。
ところで10月の末になると神様・仏様の国日本でも、キリスト教の行事である「ハロウィン」が盛大にとり行われます。
テレビで映し出される渋谷の風景はすごいですね。
また、この土曜日と日曜日は各地で、子どもを対象にして多彩なハロウィンイベントが行われています。
ではハロウィンはどんな行事かご存知でしょうか?
キリスト教の記念日で「万聖節」の前夜祭と言われています。
古代ケルト民族の風習で、日本の秋祭りと同じように秋の収穫を祝うお祭りですが、悪霊を追い出すお祭りでもあるようです。
古代ケルトでは11月1日が新年になり、その前の夜に先祖の霊がやってくると信じられていたようですが、これに悪霊もついてくるとか・・・。
従ってハロウィンは10月31日が本番だということです。
日本の旧暦では立春が新年に当たり、先祖が里帰りされます。
つまり日本の秋祭りと正月が合わさったような儀式だと思うのですが、ハロウィンは悪霊が付いてくるところが大きく異なると思います。
だからカボチャをくりぬき、ローソクに火をともすと共に、仮面をかぶって追い払う必要が有るのでしょうか・・・。
もっとも日本で行われているハロウィンのイベントは、本来持っていた宗教的意味合いはなく、この仮想が日本で大いに受けたようですね。
様々なハロウイングッズが売れているようで、今やクリスマスに次ぐ大イベントになったような気がします。
ちなみに12月の冬至にはカボチャを食べますか?
日本古来のしきたりでは、野菜が少なくなった冬場、冬至の日にカボチャを食べてビタミン補給するのですが、今ではハロウィンでカボチャをくりぬいて作った「ジャック・オー・ランタン」の方が有名になりましたね。
数の多さでは世界屈指の年中行事が存在すると言われている日本ですが、古来より日本で育まれた行事が次第に薄れ、欧米諸国から入った行事が幅を利かすようになりました。
時代の流れだと割り切るか、それとも日本の伝統行事の意義や意味を再認識するか?多様な考えが有ると思いますが、皆様は如何でしょうか?
私は売り上げ増大のためにビジネスで「ボジョレーヌーボ、ハロウィン、クリスマス、バレンタイン」等の欧米諸国の行事を取り上げるのは仕方ないとしても、テレビや新聞などの影響力の大きいマスコミは、日本の伝統行事をしっかり発信して頂きたいといつも思っています。
加えて学校でも先ずは日本の伝統行事を優先して頂きたいと願うものであります。そのためには日本の伝統行事に込められたエンジンの思いや意味を正しく理解することが大切ではないでしょうか?
国際化の進展に際しては、自国の文化や伝統行事や礼儀作法を正しく理解することが先決だと考えます。
それを次世代にもきちんと伝え、国際社会にも発信した後に、おおらかな気分で外国の文化を受け入れたらいいと思うわけです・・・。
本末転倒になってしまったら日本の未来は暗いと思っています。