まなーうんちく話798《月々に 月見る月は 多けれど・・・。》
現在使用されているカレンダーは「グレゴリオ暦」が圧倒的に多いようですが、日本では明治5年までは旧暦でした。
旧暦は「太陰太陽暦」のことで月と太陽、すなわち陰と陽が合体したリズムの暦ですが、月の周期的な満ち欠けが大きく影響しているようです。
昔の人がいかに月と慣れ親しんできたかということですね。
「運」のことを「ツキ」ということからも容易に想像できます。
加えて月に関する逸話も沢山存在しています。
今の物の豊かさや利便性に重きが置かれている時代と比較すれば、命の尊さや感謝の気持ち、さらに風流といった心の世界に価値観が置かれていたのでしょうか・・・。
いずれにせよ、旧暦は動物、植物、昆虫、気象など自然界の動きを長年の緻密な観測により体現化した、自然と仲良く生きる生活の知恵が凝縮されたものだと思います。
何もかも慌ただしく動く現代社会にはなじまないかもしれませんが、たまには旧暦に思いをはせるのもお勧めです。
10月13日は「十三夜」です。
十五夜に注いで美しい月のことです。
また、十五夜の後に巡ってくるので「後の月」ともいわれます。
十五夜の月は中国が本家のようですが、十三夜の月はまさに純粋な国産です。
収穫祭を意味したとも言われますが、丁度稲刈りが済んだころではないでしょうか。
昔から十五夜は晴れる日が少ないのですが、「十三夜に曇りなし」と言われるように、晴れの日が多いようですから、今夜当たり是非「お月見」をされたらいかがでしょうか。
お月見の仕方には明確な決まりは有りませんので、13個の団子や、秋の野菜や、秋の七草など手に入る物をお供えして、ご馳走にありつけることに感謝をしながら、美しい月を愛でて下さい。
心が洗われます。
ちなみに十五夜だけを観賞するのは「片身月」といわれ良くないので、十五夜を愛でたら十三夜も愛でるのが、縁起がいいとされています。
これには諸説ありますが、江戸時代の遊女の営業戦略とか・・・。
いつの時代も商魂たくましい人はいたようですね。