マナーうんちく話499≪習慣は第二の天性なり≫
今まで「ナプキンとお絞り」「扇子と団扇」の違いに触れてきましたが、今回は「葉書」と「手紙」の違いに触れてみます。
二十四節季の一つ「小暑」が過ぎ、間もなく夏の「土用」です。
「暑中見舞い」を予定されている人も多いと思いますが、如何でしょうか?
四季が明確に分かれている日本では、暑い時期と寒い時期には、わざわざ出向いて季節の挨拶をしていたわけですが、相手が遠方の場合は文を寄せることになります。
メール全盛の時代とは言え、このようなアナログの文化は大切にしたいものです。より深いコミュニケーションが期待でき絆が保たれます。
では「葉書」にするか?「手紙」にするか?ですが、TPOに応じた使い分けをお勧めします。その使い分けが上手になれば良い結果を生ずるでしょう。
【葉書の起源とマナー】
葉書の起源は紙や布の切れ端に書いた覚えがきの「端書」です。
それが明治になって「葉書」という漢字になりました。
名付け親は、日本の郵便制度の父と言われる前島密です。
ではなぜ「端書」が「葉書」に変わったのか?
字が書ける「多羅葉」と呼ばれる木の葉にちなんで「葉書」になったそうです。
定かではありませんが、昔は紙に字をかけるのは特権階級の人で、庶民は紙が入手困難だったため、木の葉に書いたので「葉書」という借字になったという説もあります。
つまり葉書は布の切れはしや木の葉に書いていたのが語源ですから、紙に書く手紙より格下になります。
従って格式だった場合や目上の人には不向きということです。
但し「年賀状」「寒中見舞」「暑中見舞」等の季節の挨拶状は例外です。
私はセミナーや講演等が終われば主催者にお礼状を出しますが、好んで絵葉書を使用しています。これが結構好評です。
勿論メッセージが多い場合は手紙がお勧めですが、葉書の場合は「葉書にて失礼いたします」という言葉を添えたらいいでしょう。
「葉書にて失礼いたします」は便利の良い言葉ですから、是非参考にして下さい。