マナーうんちく話502≪会話の中に季節の話題を積極的に!≫
今年も一年のうち半分が経過し後半戦に入るわけですが、いよいよ夏本番です。衣食住に暑さ対策を施しながら、身も心も元気でご活躍下さい。
そして7月の始めは、田植えを終える農作業の節目とされる頃です。
スーパーのチラシで「蛸」を眼にしますが、この時期に蛸を食べるのは、田植えをした稲が蛸の8本の足のように地面にしっかり根付くことを祈願するためです。
また、和風月名で7月は「文月」といいますが、これは七夕に由来します。
牽牛と織姫の二つの星に詩歌や作文を供えて、文章や文字の上達を祈ったわけです。
ところで四季が明確に分かれている日本では、6月になると涼しさが加味された衣装に衣替えするわけですが、さらに気温が増す7月には建具も夏用になります。
日本独特のユニークな風習ですが、和風建築では襖や障子から「葦戸(よしど)」に替わり、「すだれ」がおめみえするようになります。
冷房完備のマンションではあまり関係ないかもしれませんが、日本建築では夏は壁を少なくして風通しを良くすると共に、冬は冷たい風が吹き込まないような工夫があちらこちらにみえます。
時代の流れと共に、このような伝統的な佇まいが次第に失せてきた感がありますが、「時代の流れで仕方ない」だけでは済まされないような気もします・・・。
そして7月と言えば「土用」が挙げられます。
何度もこのコラムで触れましたが土用とは立春・立夏・立秋・立冬の前18日間を指しますが、最近では土用といえば立秋前のみを土用と呼び、「土用の鰻」に結びついています。
今年は7月19日が「土用入り」になります。
さらに7月になると「お中元」商戦が活気づきます。
最近では売る側の巧みな戦略も加わって何もかも早くなりましたが、季節の贈答にはやはり贈る「タイミング」が大切と考えます。
中国の3元(上元、中元、下元)の中の、7月15日の中元のしきたりが、日本のお盆の行事とコラボレーションして現在の形になりました。
だから贈るタイミングは地域にもよりますが、7月の始めから15日までがお勧めです。地域により8月15日の所もあるようです。
但しお中元を贈ればお歳暮も贈って下さい。
お中元、お歳暮いずれか一つだけの場合はお歳暮が優先です。
加えて最近では宅配便が発達していますが、お中元本来の目的は季節の挨拶です。
夏の暑い時期と、冬の寒い時期には、お世話になった人の所に出向き、相手の安否を伺う挨拶をしていたわけです。
その際、手ぶらでは行きにくいので手土産持参になるわけで、これがお中元と捉えたらいいでしょう
従ってできる限り手土産持参で訪問される事をお勧めします。
何でもかんでも贈ればいいモノではないということです。