マナーうんちく話1182《送別会、「はな向けの言葉」「餞別」「花束」の由来とは?》

平松幹夫

平松幹夫

テーマ:歳時記のマナー

3月14日はホワイトデーで、全国津々浦々でお返しのプレゼントが飛び交う日ですね。
私もその一人ですが・・・。

日本人は世界屈指の、贈り物のやり取りが好きな国だそうです。
さらに贈り物を頂いたら「お返し」という文化も存在する国です。

好意的に解釈すれば物が豊かなことと、贈り物を通じて思いやりの心を発揮できるということです。

そしてこの時期は「送別会」のシーズンですから、「はなむけの言葉」を贈ったり、餞別を渡す機会も多いと思います。
そこでこれらの由来やマナーに触れておきます。

旅立ちや門出に際し、祝福や激励の意味を込めて贈る言葉を「はなむけの言葉」といい、贈るお金のことを「餞別」と理解して頂ければ良いと思いますが、由来もぜひ覚えておいて下さいね。

今の日本では、安全安心が保障されているようなものですが、昔の旅はそうはまいりません。食べ物も飲み物も、道中も、泊まる所も常に危険と隣り合わせです。

だから昔の人は旅立ちに際し、皆で旅の安全を祈願したわけですが、その際、旅人が向かう方向に合わせて「馬の鼻」を向けました。

これが「はなむけ」の起源です。

馬が登場することは他にもあり、「引き出物」の由来もそうです。
宴会終了後に、主人が馬を「引き出し」てきて、それを客人にプレゼントして謝意を表現したのが起源だとする説もあります。
昔は馬がとても貴重だったわけですね。

今では、「これまで仲良くお付き合いして頂きありがとうございました。どうぞお元気で・・・」と言う気持ちを込めばいいでしょう。

また、お金を渡すのが「餞別」ですが、表書きは「御餞別」になります。
旅立つ人や転勤や転居する人も同じです。

また、「おはなむけ」という表現もあります。
馬の鼻向けの意味で、旅立つ人を見送るので「御餞別」と同じ意味になります。
一般的には熨斗袋に入れて渡しますが、紅白の水引で、蝶結びの水引になります。熨斗袋が無ければ白の封筒でもいいでしょう。

新婚旅行、長期出張、引っ越し、異動や転勤には「御餞別」か「おはなむけ」、退職には「御礼」「御退職御祝」「おはなむけ」がお勧めです。

但し新婚旅行の水引は「結び切り」、つまり「これ限りよ」の意味を込めるわけです。

さらに餞別の「餞」には別れに際して催す「ささやかな宴会」という意味もあります。

馬の鼻を向けるだけでなく、旅立ちの前の夜に、皆で旅の無事を祈ってささやかな宴を開いたわけですね。

ちなみに、送別会で送る人が送られる人に花束を渡す理由は、旅立つ人(送られる人)に「花を持たす」と言う意味ですから、旅の安全を祈って馬の鼻を向けるのとは全く意味が異なります。

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平松幹夫
専門家

平松幹夫(マナー講師)

人づくり・まちづくり・未来づくりプロジェクト ハッピーライフ創造塾

「マルチマナー講師」と「生きがいづくりのプロ」という二本柱の講演で大活躍。「心の豊かさ」を理念に、実践に即応した講演・講座・コラムを通じ、感動・感激・喜びを提供。豊かでハッピーな人生に好転させます。

平松幹夫プロは山陽新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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