マナーうんちく話569≪泥より出でて、泥に染まらず≫
【八百万神について】
日本の神様は一神教であるキリスト教などと異なり、「八百神(やおろずの神)」といわれるように、実に多くの神様がいらっしゃいます。
ちなみに「八百万」は実数ではなく数が多いという意味です。
古事記で表現されているそうです。
末広がりの「8」と言う字は日本人にとってとても縁起がいい数字ですから、この表現になったのでしょうか・・・。
さらに至る所に神様は降りて来られて鎮座されます。
山、田んぼ、巨岩、巨木、加えて家の台所やトイレなどにもいらっしゃいます。
四季が明確に分かれておりその移り変わりが大変美しい自然環境があるからこそ、森羅万象、つまりあらゆるものに神様が宿ると考えられたのでしょうか・・・。
【神社のうんちく】
前回お話ししましたように、日本には至る所にコンビニエンスストアがありますが、実は神社はそれより多く存在し、全国津々浦々に約81000社存在します。
従って居住地には、一つや二つの神社があると思いますので、その神社がどの神様をお祀りしているのかを知っておくことも大切です。
神社には、大きく分けて「神話の神様」と「人間」を祀る神社があります。
例えば伊勢神宮は天照大神、出雲大社は大国主大神を祭る神社です。
さらに人間を祭る有名な神社に「靖国神社(やすくにじんじゃ)」がありますが、戦争で命を捧げた人たちをお祀りしています。
さらに明治神宮や平安神宮は天皇や皇族をお祀りし、日光東照宮は徳川家康ですね。
正月の参拝者が多いのは明治神宮、伏見稲荷大社、住吉神社などです。
また、神様に奉仕する人は「神職」と言われ、地域や時代によっても様々な呼び方があります。神主、宮司、神官、禰宜(ねぎ)等などですが、一般的には「神主」が多いようです。
ただし、現在では氏子離れや過疎化の進行により、神職は少なくなり、一人で数社の神社を掛け持ちする状況のようです。
【氏子と氏神様の関係】
同じ集落(地域)に住む人々が共同で祭る神道の神様を「氏神様」、「産土(うぶすな)様」、あるいは「鎮守(ちんじゅ)様」と呼びます。
そこの地域の平和や安泰を守って下さるわけです。
そして、同じ氏神様の近くに住み、その神様を信仰している人を「氏子(うじこ)」と言います。
日本には約81000社の神社が存在し、約10800万人の氏子がいると言われています。
氏子だと認識していない人も多いと思いますが、別に難しい手続きは不要です。
日本は信仰の自由が認められているので、そこの神社の神を信仰すれば氏子になれます。