マナーうんちく話1112《冬至のカボチャとハロウィンのカボチャ。どう違う?》

平松幹夫

平松幹夫

テーマ:歳時記のマナー

【冬至にかぼちゃを食べる理由】

冬至には健康を祈願してカボチャを食べる風習があります。
冬の季節は栄養価が期待できる野菜が少ないので、カボチャはビタミンやカロチン補給に大変役立ち、風邪予防などに効果的な食べ物です。

夏の野菜を、なぜ冬に食べられるのか?という疑問が湧いてくると思いますが、カボチャは他の夏野菜に比べて保存性に富んでいるから、夏に収穫したカボチャは充分冬至まで持ちこたえます。

ちなみに、我が家でも、毎年冬至には、夏に収穫したカボチャを食べています。
もっとも最近では、冬になるとニュージランド産のカボチャが市場に出回りますから、困ることはありませんね。

しかし昔の人にとって、冬のカボチャは栄養補給する面において、とても貴重だったと思います。従って、冬至にカボチャを食すことは、無事に厳しい冬を越す先人の知恵とも言えるでしょう。

加えて「陰陽思想」では、夏が「陽」で、冬が「陰」になるので、夏、つまり陽に収穫したカボチャを、冬、つまり陰に食べることで、陽を補給するという考えもあったと言われています。

折角ですから、冬至の日には是非カボチャと柚子を食卓にどうぞ。
そして、冬を身も心も元気に過ごして下さいね。

【ハロウィンとカボチャの関係】

日本ではあまりメジャーではなかったハロウィンイベントが、最近益々盛り上がりを見せ、今や市場規模も大幅に膨らんできたようですね。

ハロウィングッズを売るための施策が功を奏した結果でしょう。

ここ数年は、カボチャを飾ったり、仮装したりで、今では学校でも取り上げていますね。

冬至のカボチャは栄養補給のため食しますが、ハロウィンのカボチャはランタン用として使用されます。

古代ケルト人の間で、秋の収穫と魔除けの儀式として行われておりましたが、ここでは、カボチャではなく「かぶ」が使用されていたそうです。

「蕪」の中身をくりぬき「ランタン」を作り、魔よけに使用したと言われています。その行事が、やがてアメリカに伝わったわけですが、アメリカには「蕪」がないので、替わりに「カボチャを」を使用して、現在に至ったようです。

カボチャは中が結構あいていますから、くりぬいてランタンにするのが、とてもやりやすいで、これが受けたのではないでしょうか。

では、なぜランタンが必要か?と言えば、ケルト人の風習では11月1日が新年になり、「この世」と「あの世」が一番近くなる日とされていました。
日本のお彼岸の考え方に似ていますね。

そしてこんな日は、悪魔がうろつくようになるので、「蕪」を恐ろしい姿にくりぬき、ランタンを作り、中で火をともして、悪魔よけにしたということで、10月31日の夜が「前夜祭」となったようです。

これが日本にも伝わり「ハロウィン=カボチャ」になったわけですが、日本の冬至と異なり、仮装等が加味されるのでイベント性が高く、それに関連するグッズを売り込もうとする戦略が功を奏し、今や日本ではクリスマスに注ぐビッグイベントになりました。

【国際化に備えて自国の文化を大切に・・・。】
今や「冬至」より「ハロウィン」の方がはるかに有名になりましたが、冬至は二十四節季の元になる日本の伝統的行事です。
ハロウィンに押されて、長い間培われてきた日本古来の伝統文化が影をひそめるようでは寂しい限りですね。

商売は別としても、学校ではハロウィンより、日本の伝統文化をキチンと教えて頂きたいと感じる次第ですが、いかがでしょうか。

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平松幹夫
専門家

平松幹夫(マナー講師)

人づくり・まちづくり・未来づくりプロジェクト ハッピーライフ創造塾

「マルチマナー講師」と「生きがいづくりのプロ」という二本柱の講演で大活躍。「心の豊かさ」を理念に、実践に即応した講演・講座・コラムを通じ、感動・感激・喜びを提供。豊かでハッピーな人生に好転させます。

平松幹夫プロは山陽新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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