マナーうんちく話139≪贈り物の頂き方のマナー≫
世界の中で最も贈り物のやり取りが好きな日本人。
平和で物が豊かで、さらに相手に対する思いやりの心の表れと解釈すれば、本当に素晴らしいことです。
贈り物のポイントは、「なぜこの贈り物をするのか?」と言う理由です。
それを明瞭簡潔に表現したのが「表書き」ですが、頂きものをしたら、お礼状を送り、お返しが必要な場合は、適切なモノを、適切な時にして下さい。
しかし、贈り物を頂いても、時と場合により迷惑な事があります。
贈る側も、頂く側も、相手に不要な気を使わせないことが大切です。
ところで、贈り物を頂いた場合にお返しをする必要があるかどうかは、既に触れてきましたが、「結婚祝」「香典」「長寿祝い」「病気見舞い」「出産祝」等はお返しが必要とされています。
では、「おすそわけ」をされたら、お返しはどうでしょうか?
おすそわけを頂いた時に、直ぐにお返しは不要だと思いますが、「いずれ機会が有ればしなくては」と言う心構えでいて下さいね。
そして旅行等に行かれた時に、お土産などを贈られたら相手も喜ばれます。
また、おすそわけをする方も、決して恩着せがましくならないことが大切です。
相手に不要な気を使わせないようにして下さい。
例えば、「お彼岸でお萩を沢山いただいたのですが、我が家は夫婦だけでとても食べ切れませんので、召し上がって下さい」等の言葉を添えればいいでしょう。
加えて、そのお萩を入れる器ですが、りっぱな器に入れてそのまま渡してしまえば、相手は器だけ返すわけにはまいりません。
つまり、器に「お移り」を入れなくてはいけませんので、相手に気を使わせるようになります。
従ってお萩は、使い捨て出来るようなトレーなどに入れるのがお勧めです。
もし、高級な器に入れて持参した場合は、その場で他の容器に移し替えてもらえばいいでしょう。
ちなみに「お移り」は、頂いた「幸せ」「喜び事」を移すと言う意味があり、半紙や懐紙やマッチなどが多かったようですが、最近はクッキーやせんべいなどがお勧めです。
しかし、一番のお勧めは、自分の家に花壇が有れば、今が旬のコスモス等を摘んで綺麗にラッピングしたもの等は、とてもお洒落です。
また、何時もいただくばかりで、心苦しい場合はどうしますか?
①丁寧に断る。
②頂いた物以上の高価なモノを、すぐにお返しする。
①は、折角相手が好意でしてくれているわけですから、その行為を無駄にすることになりかねません。また、相手に不快感を与え、場合によっては傷つけるかもしれませんので、あまりお勧めできません。
②がお勧めです。
頂いた物以上に高価なモノをお返しすれば、「今後は、贈り物(おすそわけ)は結構です」の意味になります。もし、これで相手が理解してくれそうになかったら、「今後はお気づかいなく」の言葉を添えればいいでしょう。