マナーうんちく話502≪会話の中に季節の話題を積極的に!≫
すっかり春めいてきましたね。
春は気象庁の区分では3月から5月ですが、二十四節季では「立春」から「立夏」の前日までです。
そして、天文学的には「二至・二分」が基準になるので、春は「春分の日」から「夏至」の前日までです。
ちなみに「二至・二分」とは夏至と冬至、春分と秋分です。
ところで3月21日は「春分の日」です。
秋分の日と同じく、昼と夜の長さが同じ日です。
但し、厳密には若干異なるそうですが・・・。
また、太陽が真東から昇り、真西に沈む日だとされています。
かつて、仏教の国日本では、極楽浄土は真西に存在すると信じられていました。
だから、太陽が真西に沈む春分の日と秋分の日は、極楽浄土に一番近いと考えられていたわけです。
春分の日、秋分の日は「お彼岸」ですが、彼岸とはまさに極楽浄土のことで、お墓参りをするのは、お彼岸が極楽浄土に一番近い日だからです。
その際、先祖供養に繋がる「牡丹餅」「お萩」を持参しますが、以前にも触れましたが、「ぼた餅」も「お萩」も、米や小豆や甘味料で作るお餅です。
庶民は口にできない贅沢品をふんだんに使用しているわけですから、いかに当時の人達が、先祖に対するお持て成しの気持ちを込めていたかがわかりますね。
日本が世界に誇る「お・も・て・な・し」の原点はまさにここにあると私は思っています。
お彼岸とは、「今の自分が有るのはご先祖様のお陰」と言う感謝の気持ちを込めて、ご先祖様への近況報告も兼ねて墓参りをする、日本ならではの大変美しい年中行事です。
ところで、春分の日は日本人には大変なじみの深い祝日ですが、それが年により異なるのをご存知でしょうか?
年により3月20日になったり、3月21日なります。
2013年は3月20日、2014年と2015年は3月21日、2016年は3月20日です。
その理由は、地球の軌道が完全に丸くは無く、楕円形になっているからだそうです。
地球が太陽の周りを回るのに要する日数は丁度365日ではなく、端数が生じるわけですね。
だから毎年2月1日に官報により、来年の「春分の日」と「秋分の日」が発表されます。
国民の祝日がこのようにして決められるのは、世界的にも珍しいと思いますが如何でしょうか?
また、「暑さ寒さも彼岸まで」と言われるように寒さも一段落するので、先人は春分の日を目安に作物の種を蒔いてきました。
お彼岸は、ご先祖様に感謝すると共に、自分自身を振り返り、未来に備えてハッピーの種をしっかり蒔いてみるのもお勧めです。
ハッピーの種をまくとは「自分磨き」に勤しむと言うことです。