マナーうんちく話521≪お心肥し≫
別れと出会いの季節には「引っ越し」が付き物ですね。
そこで、引っ越しをした時のご近所への挨拶とマナーに触れておきます。
引っ越しを済ませたら、大切にして頂きたいのがご近所への挨拶です。
何事も「最初が肝心」ですから、丁寧なあいさつを心掛けて下さい。
日本には「向う3軒両隣」と言う言葉があります。
自分の家の向かい側の3軒と、右の家と左の家です。
江戸時代、庶民の家は、狭い路地を挟んで建っていたから、このような言葉が生まれたのでしょうか・・・。
いずれにしても、日常生活の中で特に、世話をしたり、されたりする大切な人です。
その人達と、新しい付き合いが始まるわけですから、最初の挨拶はとても大切だと言うことですね。
マンションやアパートの場合は先ずは管理人、加えて右と左の家、さらに自室の上と下の家にも丁寧なあいさつをしたいものです。
社宅はできる限り多いほど良いと思います。
その際、留意して頂きたいことが二つあります。
一つ目は「第一印象」です。
ビジネスマナーでは第一印象が大切だと言うことを学びますが、第一印象の大切さはビジネスばかりではありません。
挨拶する側も気になりますが、される側も「どんな人が引っ越してくるのか?」と、とても気になるところです。
だから最初が肝心なのです。
身だしなみを整えて、明るくさわやかな挨拶を心掛けて下さい。
次に、出来ればちょっとした品物を持参するのがお勧めです。
概ね500円から1000円くらいの予算で、タオル、石鹸、洗剤、お菓子等が一般的です。
もと住んでいた所の名物や特産物なども洒落ていますね。
但し、大家や管理人には、その倍くらいの品がお勧めです。
熨斗は紅白の水引に蝶結び、そして表書きは「ご挨拶」です。
隣近所には「粗品」でもいいです。
挨拶の仕方は、「引っ越ししてきたということ」と「名前」が有ればいいでしょう。
その後、手土産を渡して下さい。
ちなみに、最近何かと個人情報を出したがらない人が増えていますが、これから近所づきあいを始める家には、ある程度こちらから打ち解ける姿勢は大切だと思います。
従って、家族皆で挨拶に行くのも、名前を覚えてもらえるのでお勧めです。
それに、仲良くして頂きたいという意気込みが感じられます。
「先方に迷惑」との考えもあるようですが、私は玄関先での簡単な挨拶ですから、そんなに迷惑にはならないと考えます。
もし可能であれば、引っ越しをする前に、先に手土産持参で挨拶をしておけば、当日が意外にスムーズにいくと思います。