マナーうんちく話453≪冬来りなば春遠からじ≫
昔の人は毎月月末にそばを食べて一区切りつけていたそうですが、現代でも大晦日にそばを食べるのは年末の風物詩になっています。
山陽新聞社の「さん太アンケート」によると、年越しそばを食べる人は9割を超えていましたね。
そこで、12月30日と31日は「年越し蕎麦のうんちく」に再び触れておきますので、大晦日の話のタネにして下さい。
ちなみに「年越し」とは一年の最後と言う意味で、「除夜」のことです。
鳴くも笑うも今日限りと言うことです。
蕎麦には「ネギ」と「海老」が付き物ですが、ネギには「一年の苦労をねぎらという意味があり、海老は「腰が回るまで長生きをしたい」と言う願望があります。
つまり、ソバは細く伸びるので、年越しそばを食べる目的は「この一年間の苦労をねぎらい、元気で長生きしようと」ということにあります。
蕎麦は奈良時代からの歴史を有する食べ物ですが、最近蕎麦の花が風物詩としてマスコミに登場します。
今ではそばといえば、白い蕎麦の花も、食べる蕎麦も、蕎麦と表現しますが、江戸時代には食べる蕎麦は「蕎麦切り」と言われていたようです。
世界各国には多くの麺類が存在します。
そのほとんどは器具から押し出すとか、引っ張るとか、延ばすなどして食しますが、蕎麦はのして切るから「蕎麦切り」と言われるようになったとか・・・。
和食がユネスコの無形文化遺産に登録されて以来一年が過ぎましたが、そのお陰もあって蕎麦はますます人気が高まってきました。
中華そばに対して「日本そば」とも言われますが、スシ、テンプラと共に日本を代表する料理です。
最近特に健康志向が高まってきましたが、ヘルシーさも受けています。
また、蕎麦は「ズズッ」とすすって食べる、その音が特有で、まさに日本の食文化だと言えるのではないでしょうか。
なぜすするかと言えば、「フォーク・ナイフ食」あるいは「手食」と異なり「箸」で食べるからです。
明日に続きます。