まなーうんちく話798《月々に 月見る月は 多けれど・・・。》
お正月に「注連縄(しめなわ)」や「輪飾り」などをされる方は多いと思います。
神社や神棚に「注連縄」が張り巡らされていますが、これは「その場所が神聖な場ですよ」と言う意味です。
従って、「しめ飾り」やその略式である「輪飾り」を飾る意味は、単なる装飾としてではなく、この一年の穢れをはらい、新しい年の魔よけとして飾るわけです。
最近は色々な物が販売されていますが、これらも門松と同じように、準備する日が大切です。
前回もお話ししましたが、12月26日、27日、28日、30日がお勧めです。
29日は「二重苦」に繋がるとされ、31日は「一夜飾り」になるので神様をお迎えするに当たり、ギリギリになって準備するのは失礼とされています。
飾る場所ですが、基本的には玄関の軒下の真ん中がお勧めです。
輪飾りは水道や車等、またパソコンの仕事をされる方はパソコンの上に置かれても良いでしょう。
お正月は、ご先祖様が年に一度里がえるされるのをお持て成しする大切な行事ですから、その準備はゆとりを持ってするのがお勧めです。
また、床の間があるお家では、床の間に正月に相応しい掛け軸をかけ、床の間に向かって真ん中に香炉、右側に鏡餅、左側に松・竹・梅等の生花を飾られたらいいでしょう。
正月用の「縁起の良い植物」に関しては、次回詳しく触れますので是非参考にして下さい。
最近は「お節料理」なども、出来合いのものを購入される方が増えてきました。
皆さんは「手造り派」でしょうか?
「出来あい派」でしょうか?
昨年暮れのオリンピック招致委員会で、日本の「お・も・て・な・し」が世界中で大きな話題になり、世界各国から和食と共に「お持て成し」に熱い視線が注がれています。
このお持て成しの原点は、まさにお正月にあると思います。
世界は日本の礼儀作法や和食やおもてなしの心を絶賛していますが、現在の日本では言葉だけが先行して、世界が認める実態とはかけ離れている気がしてなりません。
だから、家庭、地域、職場における絆が希薄化して、「無縁社会」等と言われる由々しきキーワードが生まれたのではないでしょうか?
忙しいのは誰でも同じです。
それと、「本当のお持て成し」とは、美辞麗句を並べるものではありません。
それなりの準備と真心が必要です。
便利に出来るモノでも合理的でもありません。
つまり手間暇がかかるモノです。
だから値打があるのです。
マナー研修を受け、形ばかりを身に付けるのも良いかもしれませんが、「おもてなしの心」「思いやりの心」「感謝の心」は、このような事を大切にすることにより自然に培われていくものだと考えます。
その意味においては、迎春の準備は特に大切にして頂ければと思うわけです。
家族が協力することにより絆も深まります。
正月を大切にすれば、一年を大切に過ごすことができます。