マナーうんちく話535≪五風十雨≫
12月22日は一年で最も夜が長く昼が短い「冬至」です。
現在の12月の夜はイルミネーションが夜空を美しく照らし、街の元気や人の暖かさを醸し出してくれますが、照明器具が無かった昔は大変です。
6月21日は夜が短く昼が一番長い「夏至」ですが、それと比較すると約5時間の差がありますので、暗くて、長い夜は本当に大変だったと思います。
また、一年で最も寒い時期は立春の頃です。
最も夜が長い冬至と、最も寒さが厳しい立春の前日は、共にどん底の日ですが、モノは考え方次第です。
冬至を過ぎれば昼が次第に長くなり、立春を過ぎれば春がやってきます。
つまり、もうこれ以上は悪くなることは無く、後は上昇するのみですから、昔はこれらの日を一年の始まりとしていました。
まさに陰極まって、陽が帰(復)ってくるわけですね。
「一陽来複」です。
大変縁起の良い諺で、「悪いことが続いたら、次は幸福が訪れますよ」という意味でこの時期によく使用されます。
「復」を幸福の「福」に置き換えて、「一陽来福」と表現されることもあります。
そして冬至と言えば「柚子湯」ですね。
「柚子湯に入ると風邪をひかない」と昔から言い伝えられています。
「冬至」と「湯治」の語呂合わせからきているようですが、昔は冬至が一年の始まりだったので、柚子の香りで身体を清めていたという説もあります。
柚子湯は、風邪を引かないばかりではなく、血行が促進されるので、疲労効果や美肌・美容効果も期待できますが、敏感肌の人は注意して下さい。
柚子の汁はレモン絞りで絞り、そのジュースは蜂蜜と共に熱いお湯で割れば「柚子ネード」が完成で、残りの皮を布の袋に入れて湯船に入れればOKです。
この習慣は江戸時代から始まったようですが、柚子が無理でしたらミカン風呂もお勧めです。
ミカンも皮を天日干しにしたものを利用すれば、さらに効果が高いようですから是非お試しください。
加えて冬至に「ん」の付くものを食べればハッピーになると言われています
レンコンやウドンなども良いですが、良く知られているのがカボチャ{南京(ナンキン)}ですね。
冬は野菜が不足し、ビタミン不足に陥りやすいので、カボチャは持ってこいの栄養補給元です。
夏の野菜がなぜ冬に?と思われるかもしれませんが、夏野菜の中でカボチャは保存性が高いので、夏に収穫しても充分冬まで持ちます。
我が家にも夏収穫したカボチャがありますが、保存は全然難しくありません。
柚子風呂に入り体を温め、気分を一新して、また明日から頑張って下さいね。人生悪いことばかりではありません。