マナーうんちく話849《「一陽来復」、冬至と柚子湯と南京》

平松幹夫

平松幹夫

テーマ:歳時記のマナー

12月22日は一年で最も夜が長く昼が短い「冬至」です。
現在の12月の夜はイルミネーションが夜空を美しく照らし、街の元気や人の暖かさを醸し出してくれますが、照明器具が無かった昔は大変です。

6月21日は夜が短く昼が一番長い「夏至」ですが、それと比較すると約5時間の差がありますので、暗くて、長い夜は本当に大変だったと思います。

また、一年で最も寒い時期は立春の頃です。
最も夜が長い冬至と、最も寒さが厳しい立春の前日は、共にどん底の日ですが、モノは考え方次第です。

冬至を過ぎれば昼が次第に長くなり、立春を過ぎれば春がやってきます。
つまり、もうこれ以上は悪くなることは無く、後は上昇するのみですから、昔はこれらの日を一年の始まりとしていました。

まさに陰極まって、陽が帰(復)ってくるわけですね。
「一陽来複」です。

大変縁起の良い諺で、「悪いことが続いたら、次は幸福が訪れますよ」という意味でこの時期によく使用されます。
「復」を幸福の「福」に置き換えて、「一陽来福」と表現されることもあります。

そして冬至と言えば「柚子湯」ですね。
「柚子湯に入ると風邪をひかない」と昔から言い伝えられています。

「冬至」と「湯治」の語呂合わせからきているようですが、昔は冬至が一年の始まりだったので、柚子の香りで身体を清めていたという説もあります。

柚子湯は、風邪を引かないばかりではなく、血行が促進されるので、疲労効果や美肌・美容効果も期待できますが、敏感肌の人は注意して下さい。

柚子の汁はレモン絞りで絞り、そのジュースは蜂蜜と共に熱いお湯で割れば「柚子ネード」が完成で、残りの皮を布の袋に入れて湯船に入れればOKです。

この習慣は江戸時代から始まったようですが、柚子が無理でしたらミカン風呂もお勧めです。

ミカンも皮を天日干しにしたものを利用すれば、さらに効果が高いようですから是非お試しください。

加えて冬至に「ん」の付くものを食べればハッピーになると言われています
レンコンやウドンなども良いですが、良く知られているのがカボチャ{南京(ナンキン)}ですね。

冬は野菜が不足し、ビタミン不足に陥りやすいので、カボチャは持ってこいの栄養補給元です。

夏の野菜がなぜ冬に?と思われるかもしれませんが、夏野菜の中でカボチャは保存性が高いので、夏に収穫しても充分冬まで持ちます。
我が家にも夏収穫したカボチャがありますが、保存は全然難しくありません。

柚子風呂に入り体を温め、気分を一新して、また明日から頑張って下さいね。人生悪いことばかりではありません。

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平松幹夫
専門家

平松幹夫(マナー講師)

人づくり・まちづくり・未来づくりプロジェクト ハッピーライフ創造塾

「マルチマナー講師」と「生きがいづくりのプロ」という二本柱の講演で大活躍。「心の豊かさ」を理念に、実践に即応した講演・講座・コラムを通じ、感動・感激・喜びを提供。豊かでハッピーな人生に好転させます。

平松幹夫プロは山陽新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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