マナーうんちく話502≪会話の中に季節の話題を積極的に!≫
間もなく七五三ですね。
数え年で、男の子は5歳と3歳、女の子は7歳と3歳になったら、11月15日に近くの神社にお参りして、健やかに育った事をお祝いします。
また、子ども自身にもその自覚を促す儀式でもあり、長い歴史を有します。
今の日本は世界屈指の長寿国であり、しかも新生児と乳幼児の死亡率の低さも世界でトップクラスですが、当時はそうは参りません。
幼くて命を落とす子も珍しくなく、現在の戸籍である人別帳に記載されるのは生まれて3年から4年経過してからというのが一般的であったようです。
医学も科学も栄養学も発達していない当時は、子どもが身も心も元気に育つように神に祈るばかりです。
その思い、即ち子を思う親の気持ちを形にした神聖な儀式が七五三であり、最初は公家や武家社会を中心に行われていたようです。
では、このような儀式が、今のように7歳と5歳と3歳に行われるようになった理由は何でしょうか?
先ず、男の子も女の子も3歳になると髪を伸ばし始める「髪置きの儀」がありました。
これまで剃っていた髪の毛を伸ばし始める儀式のことです。
次に、男の子は5歳になると袴(はかま)を着る「袴着の儀」がありました。
今で言う男の子のフォーマルウエアですね。
加えて、女の子は7歳になると帯を締める「帯締の儀」「帯び始め」の儀式がありました。つまり当時の女の子は7歳になると、大人と同じように帯をしめたわけです。
そして江戸後期になると、これらの儀式を統一して行うようになり、公家や武家の限られた子どものみならず、幅広く一般庶民へと普及していきます。
今でもその名残が残っていますが、幼い子供が羽織袴姿で、親に手をひかれて歩く姿は微笑ましい限りですね。
ちなみに、子供が晴れ着を着るので、親はそれ以上になる必要はありませんが、子どもと格を合わせた服装が良いと思います。
お参りするのは11月15日がおすすめですが、都合により、その日までにお参りされたらいいでしょう。
神社でお祓いを受けたら、お礼は「初穂料」がお勧めです。
かつては乳幼児の死亡率が高く、生きるも死ぬるも神様次第だったわけです。だから数えで7歳までの幼児は「神の子」と呼ばれ、亡くなっても葬式を出さなかったといわれています。
※「マナーうんちく話624《子どもは神の子》」を参考にして下さい。
言い方を変えれば、子どもが生まれて7年は細心の注意が必要だが、7歳を超えれば子どもは育つと考えられていたのでしょうか。
だから七五三のお祝いは本当にうれしかったことでしょうね。
今では、武士でも公家でもない普通の人が、晴れ着姿で盛大に七五三を祝うことが出来ます。
本当に豊かで平和な国と時代に生まれてよかったですね。
親から一杯愛情を受けたら、子は元気にすくすくと成長します。
出来る限り祝ってあげて下さい。
そして周囲の人は「おめでとう」の言葉のプレゼントをお忘れなく。