マナーうんちく話498≪うかつ謝り≫
同じ話をしても、話す人によって、聞き手の印象は大きく異なります。
明るく、ハキハキと、笑顔で自信を持って話す人と、おどおどと、小声で、しょぼくれた態度で話す人とでは、雲泥の差があります。
つまり、単に正確な言葉を使用するだけでは、聞き手の興味を引くことはできません。
話しの内容に加え、落ち着いて堂々とした話し方が大切です。
ギリシャの哲学者が、話し方の極意は「1に態度、2に態度」と言っていますが、まさに好感の持たれる話し方は「表情と態度」に有ります。
誰しも、人の話を聞く時には、単に耳だけを集中させるのではなく、同時に話しをしている人の表情や態度をしっかり観察します。
聴覚より、視覚の方がより多くの刺激を受けるということです。
話す時の態度が、いかに大切かという認識を深めて下さい。
同時に、今まで相手にどのような表情や態度で話しをしていたのか?
一度振り返ってみるのもお勧めです。
人前での、好感の持たれる話し方について触れておきます。
○見た目はとても大切です。
今、スーパークールビズ全盛ですが、人前で話をする際は、聞き手がどんな印象を受けるかという視点で服装や髪型等を決めて下さいね。
清潔で好感の持立てる服装には、弔辞やお詫びを除き笑顔が似合います。
○姿勢も大切です。
前かがみにならず、背筋を伸ばして下さい。
手は両脇に垂らすか、前で軽く組めばいいでしょう。
加えて、無理して格好付けるより、安定の在る姿勢がお勧めです。
○目線はとても大切です。
基本は、「聞き手の目を見て話す」ですから、出来る限り聞き手全員の目や顔のあたりを穏やかに見るよう心がけて下さい。
目線を聞き手全員に、話しかけるように流していきます。
難しかったら、笑顔が素敵な方に視線を合わせ、次第に色々な人に移していけばいいですね。
○落ち着いて、前回触れたように1分間に300文字程度のスピードで、大きな声で、ハキハキと話して下さい。
○20人程度の聞き手でしたら、質問を受けるのも良いでしょう。
大体以上ですが、くれぐれも横柄な態度や、上から目線で話をしないでくださいね。それと、いつも気になるのが、特に女性に多いのですが、人前で話しや自己紹介をする時に、頭の髪をいじる人が目立ちます。
これは是非注意して下さい。
昔は教育も充分行きわたっていなかったので、字が読めない、字が書けない人は結構いました。しかし、話しが出来ない人はあまりいません。
それくらい、話しをすることは、当たり前のことだったわけです。
しかし、字を書いたり読んだりすることより、話しが苦手な人は意外に多いようですね。
長年ホテルで宴会や結婚式の仕事に携わっていましたので、数えきれない位の人の挨拶を聞いてきましたが、会話に自信を持っていない人は決して珍しくありません。むしろ、会話に自信がある人の方が少ない位です。
だから、挨拶の冒頭に「人前で話をするのが苦手ですから・・・」と言い訳めいた事を言う人が多いわけですね。
つまり、話しをするのは、日常茶話と言われる位に、ごくありふれた行為なのですが、実は難しいと言うことです。
今まで触れた、話しの内容やスピードや態度や表現の仕方も大切ですが、一番大切な事は、何のための話しか?その「目的」を明確にすることです。
併せて、注意して下さい。