マナーうんちく話731《立夏と五月病》

平松幹夫

平松幹夫

テーマ:歳時記のマナー

新緑が青々と萌え、まぶしい光と共に気温も上昇し、春より一段と活気めいてきた感がありますね。

爽やかな風が吹き抜け、心地良い五月晴れが続くと心が洗われます。
5月5日は、雨のせいか肌寒い日になりそうですが、二十四節季の一つ「立夏」です。

「こどもの日」を始め「ゴールデンウイーク」のイベントが多彩で、影が薄くなりましたが、立夏は暦の上では夏が始まる日であり、麦の収穫や田植えのシーズンの始まりでもあります。

5月1日より「クールビズ」が始まっていますが、より自然に親しむ意味でも、同じやるなら「立夏」からのスタートが理にかなっていると思いますが、いかがでしょうか?

ところで、日常生活では6月から8月までですが、二十四節季では立夏から立秋の前日(平成26年は8月7日)が「夏」で、この時期になると下記の歌を思い浮かべる人も多いと思います。

春過ぎて 夏来たるらし 白妙の
衣干したり 天の香具山 (持統天皇)

最近は地球温暖化のせいで夏が早くて長くなりましたが、この歌が詠まれた頃には、時の移り変わりも大変スローで、のどかに流れていたようですね。

また、5月5日は「こどもの日」であり、「端午の節句」でもあり、「柏餅」がおめみえします。

「瑞穂の国」と称される日本では、米から作ったお餅が、なにかと年中行事とかかわりが深く、何かあれば餅を食べます。

例えば桃の節句には「菱餅」、桜の咲く時期になると「桜餅」、さらに「よもぎ餅」が登場し、端午の節句には「柏餅」を食します。

そして、長かったゴールデンウイークも終わる頃で、仕事や勉強が待ち受けている人も多いと思います。

旧交を温めたり、趣味を生かしたり、日常ではできない終盤の時間を有意義にお使いください。
自身を見つめ直すのもお勧めです。

心配なのがこの時期に発生する「五月病」です。
新しい環境に適応できなくて、不安感に襲われたり、無気力になったり、不眠や食欲不振に陥ったりする精神的な症状のことです。

菖蒲湯に浸かり気分転換を図ったり、職場の人や家族や友人等、身近な人に愚痴でも聞いてもらうこともお勧めです。
とにかく、一人で抱え込まないことです。

さらに、バランスのとれた栄養、睡眠、規則正しい生活を心掛け、心地良い生活のリズムをつくることも大切ですよ。

それでもダメな場合は、専門機関を訪ね、しっかり自分自身をケアして下さい。
いずれにせよ、日頃から色々な人と、仲良いコミュニケーションを図るよう心がけることが大切だと思います。

例えば、先手必勝の挨拶を徹底するとか、好感の持たれる身だしなみを心掛けるとか、「ありがとう」の言葉を連発するとか、人の話をキチンと聞く耳を持つとか、出来ることから実行することで、良好な人間関係を築いて下さい。

この時期は、一年で最も光溢れる活動的な時節です。
感謝の心と共に、爽やかな風を体いっぱいに感じながら、前向きに過ごして下さい。





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平松幹夫
専門家

平松幹夫(マナー講師)

人づくり・まちづくり・未来づくりプロジェクト ハッピーライフ創造塾

「マルチマナー講師」と「生きがいづくりのプロ」という二本柱の講演で大活躍。「心の豊かさ」を理念に、実践に即応した講演・講座・コラムを通じ、感動・感激・喜びを提供。豊かでハッピーな人生に好転させます。

平松幹夫プロは山陽新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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