マナーうんちく話516≪袖触れ合うも多生の縁≫
歓迎会のシーズンで何かと酒の付き合いが多い頃です。
素敵なマナーを発揮して楽しく過ごして下さいね。
先ずは「酒を共に飲む」とはどのような意味を持つのか?
この点をしっかり把握して下さい。
酒を共に飲むと言うのは、愚痴を言ったり、自慢話をするためではなく、日本では、仲の良い交流を深める意味があります。
つまり、「一杯どう?」と誘われたら、腹を分かち合って、意識を共有しませんか?と言うことだと心得て下さい。
酒を共に飲むことにより、連帯意識を確認すると言うことです。
例えば、神前結婚式で「三三九度」や「親族盃」と言う儀式がありますが、その典型的な例です。
酒に強い人もいれば、弱い人もいます。
強い、弱いが問題ではなく、「共に飲む」ことに価値があります。
だから、できるだけ酒の席には出席されることをお勧めしますが、以下の点に注意して下さい。
「席次」ですが、酒の席でも食事の席でも席次は大切です。
自分がどのような立場なのか把握して、それに相応しい席について下さい。
入口から遠いところ、和室で有れば床の間に近い方が上座で上位者が座ります。出入り口に近いところが下座で、下位者や幹事が座ります。
最初は「乾杯」があります。
日本酒でする場合も有れば、ビールやワインで行う場合もありますが、アルコールが苦手だからと言って最初からソフトドリンクにするのはお勧めできません。
「三三九度」と同じです。
飲めなかったら口を付けるだけでOKです。乾杯が済んだらソフトドリンクにすればいいでしょう。要は、ソフトドリンクでも、アルコールドリンクを飲んでいる人と同じように楽しく付き合うことです。
「会話の内容」ですが、会の趣旨に相応しい会話をして下さい。
楽しくなるような会話がお勧めで、政治、宗教、イデオロギーに関する話はお勧めできません。
「お酌」ですが、和食の場合は基本的には隣の人には、一杯は「如何でしょうか?」と言って勧めてあげて下さい。ブッフェはレデーファーストが基本ですが、会の雰囲気に合わせて下さい。フランス料理は店のスタッフがワインを注いでくれます。
加えて、「無礼講」ですが、「今日は無礼講だ」といわれても、何をしてもいいと言うことではありません。あくまで節度ある態度は必要です。
詳しくは「マナーうんちく話637《無礼講と本音と本性》」をご覧ください。
最後に支払いですが、上司や先輩が「おごる」と言ったら素直に受ければいいでしょう。但し、お礼をキチンと言って下さいね。帰る時と、翌朝出勤したした時にもお礼は必要です。「昨夜言ったからもういい」のではありません。
ちなみに、言われて心地良い言葉は出し惜しみしないことです。
例えば、「美味しい」「嬉しい」「素敵」「素晴らしい」「すごい」等です。
二次会ですが、嫌々ながら付き合うことはないと思います。
おごられたのだから、二次回に無理して、つきあう必要はありません。
行きたいと思えば行けばいいし、断りたいと思えばお断りすればいいでしょう。
最後におごられるのも人生におけるいい勉強です。
特に、おごられることにより素敵なマナーを身に付けることができます。
なぜなら、おごられると言うことは少なからずリスクが伴うからです。
おごる側を立てなければいけませんので、割り勘に比べると難しいわけです。
おごってくれた人への、敬意、謝意を上手に表現することが大切です。
さらに、感動することで、相手に対する最高の思いやりの表現になります。
このように、おごられながらマナー美人になるわけですが、やがてはおごる立場になって下さいね。
いずれはおごる立場になって下さいね