マナーうんちく話494≪和顔愛語≫
フランス料理や懐石料理に比べたら、気楽に楽しめるのが中国料理の魅力ではないでしょうか。
ただ、回転卓の回し方には「時計回り」というルールがありますので、これだけは注意して下さい。
従って、自分の左側に食べたい料理があっても、少しだけ時計と逆まわりさせるわけにはまいりません。
料理が時計回りに一周するのを待つか、左側の人にお願いして取って頂くかです。加えて、ターンテーブルの上には自分のグラスや取り皿は置かないようにして下さいね。
また、中国料理は地位が高い人や年配者から順に料理をとります。
そのような方は当然上席に座ります。
料理も上席からサービスされますが、上席とは、基本的には入り口から一番遠い場所です。景色の一番いい所も上席になりますから、不安でしたら店の人に聞いて下さい。
日本では上席を挟んで次に偉い人が座ればいいでしょう。
男女の場合は、男女交互がお勧めですが、レディーファーストを心掛ければいいと思います。
ちなみに、「上席」に対し「末席」は入り口に一番近い場所で、主催者や幹事がここに座って下さい。
料理によっては取りにくい料理もありますが、自分だけ取りやすい部分をとるのではなく、店の人にお願いされる事をお勧めします。
そして、料理は基本的には座った状態で、一人前を目安に取ります。
料理が一順して残れば、後は自由です。
自分の料理をとったら、次の人に、大皿料理が正面に来るようにターンテーブルを回し、「どうぞ!」と声をかけて下さい。
また、次の人は、声を掛けられたら「ありがとう」とお礼を述べ、自分の分をとり隣の人に回します。
乾杯が終わり、会食がスタートしたら、最初の料理だけは、上座の人から次第に最後まで順に取りますが、最後の人が取り終わるのを待って、揃って食べるのがお勧めです。
幹事の人は特に気配りして下さいね。
加えて、和食は基本的には器を持って食べますが、中国料理は器を持ちません。持って良いのは、箸やレンゲです。
箸の持ち方は和食と同じで良いですが、和食のようにいちいち持ち変える必要はありません。
但し、右手に箸を持っている状態で、左手でレンゲを持ち、スープを頂くのは感心しません。一旦箸を置いて、右手にレンゲを持って下さい。
汁麺等を食べる時には、右手に箸を持ち、麺をつまみ、左手で持ったレンゲの中にその麺を入れ、口に運びます。
なお、焼きそば等はそのまま箸で食べるのがお勧めです。
中国は日本と異なりとても広い国ですから、同じ国の料理とは思えないほど料理方法や食材や味が異なります。
しかし、いずれも楽しく食べることに尽きると思います。
料理が運ばれたら「ありがとう」の言葉を添えたり、「美味しい」を連発したりしながら、多いに楽しんで下さい。