まなーうんちく話798《月々に 月見る月は 多けれど・・・。》
立春の前日を「節分」と言います。
漢字が意味するように、節分とは、まさに季節の分かれ目です。
従って、昔は季節の分かれ目に当たる立春、立夏、立秋、立冬の四立の前日が全て節分とされていました。
日本では四季の他に二十四節季がありますが、そのスタートは立春です。
だから、室町時代頃から立春の前日の節分が特に重要視され、今では節分と言えば春の節分を指すようになったわけです。
そして、節分には「豆まき」をします。
これは、季節の変わり目に鬼が出てきて悪さをすると言われていたからです。
加えて、季節の節目は何かと体調を崩したり、災害に見舞われやすいので、それらを鬼に見立てて、鬼が嫌がる豆を蒔いて追い払うわけです。
豆まきは基本的には、一家の主人が担当します。
豆まき用の豆は市販されていますが、家庭や職場で用意される場合は大豆を炒って下さい。
炒る理由は、鬼は火が嫌いだからです。
炒る事により、大豆に火の気を加味するわけですね。
そして、神棚のあるお家では炒った豆はいったん神棚にお供えして下さい。
神棚が無いお家では、そのまま使用して下さい。
暗くなったら、家の全ての戸を開け広げます
年男は出入り口にて、「鬼は外、福は内」と2回唱え豆を蒔きます。
巻き終わったら鬼を外に出します。
そうして、福を閉じ込めるために全ての戸を閉めて下さい。
次に、数え年で自分の年の数だけの豆を頂き、無病息災を祈願します。
つまり、一年間マメ(健康)でいられるということですね。
今では満年齢が主流になっていますが、冠婚葬祭では、現在でも「数え年」が多々出てきます。
なぜなら、数え年にはとても大切な意味が込められているからです。
マナーには「何故そうするのか?」という合理的な意味が必ず存在しますので、その理由を正しく理解することが大切です。
詳しくは「マナーうんちく話173《満年齢と数え年》」を参考にして下さい。
ところで、節分の夜に、その年の縁起のいい方向、つまり恵方に向かって巻きずしを丸かじりすると、福が来ると言われております。
丸ごとの恵方巻きを食べ終えるまで、口を利かないようにして下さいね。
最近は、恵方巻きも市販の物を食す人が増えましたが、手作りされる場合は、「七福神」にちなんで縁起を担ぎ、具材を七種にして下さいね。
ちなみに、平安時代頃の神への信仰はかなり堅苦しい物で、一般庶民が気軽に参拝できるものではなかったので、健康やお金の事を気軽にお願いできる神様の登場を願う機運が高まったわけです。
そこに登場したのが「七福神」で、日本、中国、インドの神様から形成されています。
「恵比寿」は日本の富の神様で、「福禄寿」「寿老神」「布袋尊」は中国の幸福と長寿と富の神様です。
また「弁天財」「大黒天」「毘沙門天」はインドの神です。
立春は、今でもある意味では一年のスタートです。
新しい年に、社会が平和で好況になって欲しいと願うのは人の常です。
2月3日は、健康を始め、商売、農業、漁業の繁栄を願って豆蒔きをして、七福神にあやかり恵方巻きを食べ、良い夢を見て下さい。
節分が過ぎれば次の日は立春です。
まだまだ寒い日が続きますが、「暦の上では春が来ました」と表現されるようになります。元気でご活躍下さい。