マナーうんちく話535≪五風十雨≫
『なんとなく 今年は良い事 あるごとし 元旦の朝 晴れて風なし』
明けましておめでとうございます。
昨年は《マナーうんちく話》にお付き合いいただき誠にありがとうございました。今年も何卒よろしくお願い申し上げます。
平成26年の元旦は、風も無く穏やかで、初日の出をご覧になられた方も多いと思います。
さて、今年は午年(うまどし)ですね。
午は十二支の7番目の干支(えと)にあたり、午前11時頃から午後1時頃の時間に当たるので、一日の中心を意味することから、活気あふれる最高の歳とされているようですので、冒頭に、有名な石川啄木の正月の短歌を紹介させていただきました。
ところで、既にお話ししましたが、日本は神様(神道)・仏様(仏教)の国で、神道では、正月に歳(年)神様、すなわちご先祖様がそれぞれの家庭に里帰りされると考えられています。
ちなみに、お盆は仏様がそれぞれの家庭に里帰りされる日です。
もともとは、日本では盆と正月に仏様とご先祖様を祭る習慣がありましたが、中世以降になり、盆は仏教的な行事、そして正月は神道的行事として定着したようです。
そして、正月は米や麦や稗等の五穀豊穣と家内安全を祈念してご先祖様をお祭りしたわけです。
また、「正月」と言う言葉は中国からきた言葉で、旧暦1月の別称です。
加えて、1月の事を日本では「睦月(むつき)」と言いますが、これは正月早々、喧嘩などしないで、みんな仲良く睦つみ合って行こう!と言う意味です。
そういえば聖徳太子も、「和を持って貴しとなす」と説いていますが、日本には夫婦や友達同士が仲良く睦つみ合っている事を意味する美しい言葉が沢山あります。
夫婦が仲睦ましい事を「琴瑟相和(きんしつそうわ)」とか「偕老同穴」と言います。さらに、友人や夫婦が固く結ばれている状態を「異体同心」、大変仲の良い友人を「同じ釜の飯を食う」、さらに「馬が合う」と表現します。
昨年あたりから経済が次第に活気づいてきたようですが、物質的豊かさや利便性の追求に重きが置かれるせいか、心が病んでいる人や人間関係にぎくしゃくしている人が増えているのも事実です。
自分自身を大切にすると共に相手も大切にしたいものです。
そして、経済の安定と共に、良好な人間関係を築き、心も安定した年になって欲しいですね。
そのためには微力ながら、今年も講演・セミナー・コラムを通じ、多彩なマナーを発信していきたいと思っています。
よろしくお付き合いいただければ嬉しい限りです。
皆様方の一年が万事《ウマ》くいきますようにお祈りいたします。