マナーうんちく話589≪無理が通れば道理引っ込む≫

平松幹夫

平松幹夫

テーマ:日常生活におけるマナー

朝夕の心地良い涼風に、秋の趣が感じられるようになりました。
9月7日は二十四節季の一つ「白露」です。

白露は聞き慣れない言葉で、24節季の中でも、なじみが薄いと思いますが、大気が冷えて、草に降りる露が白く見えるようになると言うことです。

先人は感性が豊かで、自然を細かく観察しますので、露が玉のように白く輝いて見える様を白露という大変美しい言葉で表現しましたが、現代人は白露を、美しくキラキラ輝く「宝石」に例えました。

今年の夏は事の他、暑さが厳しかっただけに、これからの時期は、宝石のようにいかなくても、キラキラ輝いた快適な生活をしたいものですね。

快適な生活とは、決して無理をしないことです。
身も心も大切にした生き方ですね。

例えば、仕事や趣味、あるいは人間関係にしても、自分に素直になる事が大切だと考えます。

「無理が通れば通理引っ込む」と言う諺が有ります。
通理とは、誰が考えても、正しいと思われる道筋や理由の事です。
無理とは、通りに反して、正しい道筋が通っていないことです。

つまり、間違ったことが堂々と行われたら、正しい事、すなわち正義は行われなくなると言うことです。
木の葉が沈んで、石が水に浮くようなものです。

無理な事を行おうとすれば、トラブルのもとになったり、ストレスがかかってきます。

勿論、無理にも程度が有ります。
少々の無理ならいざ知らず、大きな無理は、通そうと力めば力むほど、ひずみが生じます。

特にこれからは、夏の疲れがどっと出て来る頃です。
心身に関する無理は、できる限り控えて、ご自愛ください。

仕事の無理もしかりです。
目先のことに捉われて、無理を通したばかりに、後になって思わぬ損失を被ることも多々あります。

しかし立場上、「無理を承知で」と言う言葉をよく聞きます。
無理を押しとおす必要性は良く有りますが、それこそが、多くの困難やストレスをこうむる原因になるわけです。

落ち着いて、長い目で、よくよく考えてみる事をお勧めします。
無理をしなくなると、人生はとても楽しくなります。

無理とは、道理に合わないことですから、いくら力任せで通しても、良い結果にはなりません。
早い話、無理はしない方が良いということです。

仕事も恋も結婚も、無理をして叶ったところで、今度は、それを持続するための苦しみの連続で有れば、まさに本末転倒です。

夢をかなえるためには、自分に忠実に推し進めた方が良いかもしれませんね

但し、無理と言っても、それが前向きな挑戦の場合は、良い結果になることもありますが、嫌々ながらする無理はしない方が良いでしょう。

結論は、無理は出来る限りしない。
そして、自分にとって無理だと思うことは、素直にお断りをしても良いということです。

さらに大切な事は、他者にも無理をさせないで、その人の、有りのままを、キチンと受け入れてあげることが大切です。

露は、時として涙や儚い物の例えになります。
不必要に無理をして、露と消えてしまっては何にもなりません。


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平松幹夫
専門家

平松幹夫(マナー講師)

人づくり・まちづくり・未来づくりプロジェクト ハッピーライフ創造塾

「マルチマナー講師」と「生きがいづくりのプロ」という二本柱の講演で大活躍。「心の豊かさ」を理念に、実践に即応した講演・講座・コラムを通じ、感動・感激・喜びを提供。豊かでハッピーな人生に好転させます。

平松幹夫プロは山陽新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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