基礎から指南!接客・接遇マナー3≪お客様の満足度を大きく左右する人的サービス≫
接客・接遇の現場は常にトラブルやクレームがついてきます。
トラブルやクレームは、申し出る方も、指摘される方も愉快な事ではないので、発生しないに越したことは有りません。
従って、クレームが発生しないように努力することは大切でしょうが、残念ながら無くなることは、まずあり得ないと思います。
その理由は沢山存在します。
先ず、接客・接遇の仕事は、人が人に接する仕事ですから、そこには多かれ少なかれ人為的なミスが発生します。
いくら自分が細心の注意を払っていても、部下や同僚がミスをするケースもあるし、お客様の方から迷惑行為やトラブルを起こすこともあります。
次に、何もかも多種多様化して、お客様の価値観が大きく異なって来た事が有ります。要は、お客様は、まさに10人10色で、お客様により求める物やサービスが違うからです。
さらに、お客様の目や口が肥えてきて、権利意識が年々高まって来た事が考えられます。例えば、5000円も払うのだから、これ位の事は当然して頂けるだろうと、勝手に想像したりされます。
加えて、国際化、IT化、リーマンショックよるデフレ不況、若者のメンタル面の弱体化、超高齢化等など、直接的にも間接的にも、いつでも、どこでも、誰でも、トラブルやクレームが発生する理由が、増えることは有っても、無くなることはまずない!と考えた方が良いからです。
あちら、こちらで接客・接遇研修会やセミナーを担当していますが、その際、参加者に色々な事を伺います。
人と話をするのが好き、電話応対に自信あり、商品説明は得意、部下から信頼されている等と、接客・接遇に自信の有る方も結構います。
しかし、残念ながら、新人でも、中堅でも、管理職の方でも、「トラブルやクレーム対応が得意」と言う人にはめったにお目にかかりません。
特にモノが豊富で、甘やかされて、褒められて育った人は、ほんの些細な小言やクレームにも、弱腰になる人が増えてきた気がしてなりません。
トラブルやクレームが発生した時に、どのように対応するか?できるか?は、頭の良さや知識よりは、むしろ人間性が問われると思いますので、順風満帆に育った人と、苦労や挫折を経験した人では、かなり異なるでしょうね。
じゃーどうすればいいのか?悩むところです。
以前、「接客・接遇マナー10《良好なチームワークの築き方》」で詳しく触れましたが、トラブルやクレームが発生した時には、迅速かつ適切な対応が何よりですが、そのためには「職場のチームワーク」の良さが何より大切です。
職場の人間関係がうまくいってなかったら、後ほど触れる「二次クレーム」に発展し、事態はますます悪くなります。
しかし、トラブルやクレームが発生した時に、チームが総力を挙げて、迅速で誠実な対応ができれば、職場の信頼度はアップします。
さらに顧客満足が得られ、大きなチャンスを得られる可能性が有ります。
トラブルやクレームが生じた時に、「対応のまずさで二次クレームを引き起こすか」、「適切な対応でお客様に顧客満足を与え、さらにお客様から貴重な情報を収集し、それを有効に生かすか」では雲泥の差があることを認識して下さい。
クレームを無くする事を考えるより、「クレームが発生した時に、職場としてどのように対応していくか?」、このことを、職場の全員が共有する事をお勧めします。
特に、リーダーはクレームを起こした事を不必要に攻める事無く、皆でどう対応していくか?をキチンと共有できる体制作りをして下さい。
次回は、より具体的なお話に触れて参ります。