基礎から指南!接客・接遇マナー14≪相手の話を「聴く力」≫
接客・接遇の要になる人的サービスには、「マニュアル」で統一されたものと、お客様やその場の状況により「臨機応変に対応」するスタイルが有ります。
「マニュアル型の接客」とは、ある程度決められた言葉を発したり、行動をして、お客様と接するサービスです。例えば「いらっしゃいませ、ありがとうございました。またお越し下さい」等の挨拶用語、「お辞儀のスタイル」「お金の受け渡し」などです。
これなら、誰が接客しても均一に出来るというメリットが有り、全くの初心者でも難なくできます。
しかし、コンビニ等で「ありがとうございました。またお越しください」と言われて、また行きたいな!と思われた事が有りますか?
私もコンビニはよく利用しますが、このように言われて、再度行きたいと感じたことはあまり有りません。
理由は、いい方が事務的で、こちらを向いて言われないからです。
また、行きつけの繁盛しているパン屋のレジカウンターで、毎回同じ事を言われる内容がとても気になっています。
パンを袋に詰めて頂く時に、レジ係りの人に「お持ち帰りですか?」と問われますが、意味がよく理解できません。購入したパンを店内で食べる場所が有れば別ですが、どうみても持ち帰り専用のように思います。
この場合は、「お持ち帰りですか」の言葉より、数の確認の方が適切だと思うのですが・・・。
レジ係りの人は恐らくアルバイトの学生で、いつも大勢いますが、誰も愛想が良くて、丁寧で、親切で、とても好感が持てます。しかし、この言い方は気になるところです。マニュアル対応の典型的な例だと思いますが、マニュアルが良ければいいですが、不具合が有れば大変なことになりかねません。
これに対し、接客係がその場の状況や客層などに応じて、自分の経験やスキルに基づいて対応する接客スタイルが「臨機応変型」です。
このスタイルは、それぞれのお客様に相応しい接客で、お客様の満足度は高いメリットが有る半面、接客係に、それなりの経験や知識が要求され、誰でも簡単にはできません。
また、接客係の採用にそれなりの採用基準を設けたり、教育や経費も必要になるので、負担も大きいのが現状です。加えて、担当者により対応がまばらになるので、サービスの均一化は困難になります。
従って、やりたくてもやれないので、不本意ながら「マニュアル型」にせざるを得ないと言うケースも多々あります。
しかし、これに甘んじておれば、顧客満足は得られず、競合にも勝てそうにありません。
それでは、どうすれば多くのお客様に満足を与え、競合が優位に展開するか?と言うことになります。
私の専門は、「接客・接遇マナー」もそうですが、「テーブルマナー」も得意分野の一つです。
そして、テーブルマナーのお話をする時には、出来る限り「和食のテーブルマナー」と「洋食のテーブルマナー」の両方するようにしています。
なぜなら、「和食」と「洋食」、それぞれ利点が有るから、出来れば両方の利点を取ろうと言う考えです。
「接客・接遇サービス」もしかりです。
「マニュアル型サービス」と「臨機応変方型サービス」の両方の利点を採用し、業種や客層にマッチした「独自のサービススタイル」こそ、これからの時代に必要な接客・接遇スタイルだと考えます。
このスタイルは差別化を図るにはもってこいだと思いますが、それなりの知識やスキルが要求されます。今後とも、このコラムを参考にして下さい。