マナーうんちく話464≪「おいとま」と「お見送り」のマナー≫
今まで、和室と洋室における「訪問」と「もてなし」についてお話しを進めましたが、復習や言葉足らずを兼ねて、それぞれの纏めをしておきます。
「訪問のマナー」で、最初に心がけることは、何と言っても事前予約です。
こちらの要件と目的を、手紙か葉書か電話で述べ、相手の都合のよい日時を決めて頂きます。
その際、所要時間等も伝えておけば、相手にも喜ばれます。
大切なポイントです。
また、喜び事や祝い事などで招待を受けた時には、返事を早めにして、「お招きありがとうございます。とても楽しみにいたしております」等と、喜びの気持ちを素直に伝えたらいいでしょう。
特に、食事に招かれた時には、服装や食卓での振舞い、及び言葉遣い等に注意が必要です。
このコラムの、「和食」、「洋食」、「立食」のテーブルマナーを参考にして下さい。
なお、外国人への訪問は、国民性、生活習慣、宗教等で、日本人とは異なる点が多いですが、礼儀を尽くす点は同じです。
ただ、手土産等は、クリスマスや誕生日を除けば、必ずしも持参しなければいけないことは無いと思います。
もし、「どうしても」と思われたら、花やワイン等がお勧めです。
そして、訪問する時間ですが、これについては様々な意見が有るようですか、相手も貴重な時間を都合付けて待っているわけですから、きめられた時刻通りに訪問されるのがお勧めです。
服装は、似合うかどうかより、訪問先の雰囲気や相手に合わすのがベターです。
服装ばかりではなく、爪や髪形にも注意して下さい。
改まった訪問では、深々とお辞儀をすることになりますので、ロングヘアーの場合はキチンと纏めて下さい。
靴も綺麗に磨いて下さいね。長めのブーツはお勧めできません。
コートやマフラーや手袋も日本人のお宅でしたら外で脱いで下さい。
なお、日本の生活習慣でしたら、帽子も脱がれるのがお勧めですが、止む終えない場合は臨機応変に対応して下さい。
挨拶は、玄関先では簡単に済ませます。
部屋の中に入るように勧められたら、履き物は前向きで上がり、身体の向きを変えて、履き物の向きを180度変えて、下駄箱側(下座)に置きます。
部屋に入ったら、先に本日最高の挨拶を済ませます。
和室でしたら、座布団には座らないで座礼をしますが、洋室でしたら立礼になります。
挨拶が済んだら、持参した手土産を、風呂敷や紙袋から取り出して、前向きの言葉と共に、両手で渡します。
その後、和室でしたら座布団を、洋室でしたら椅子やソファーに座るよう勧められます。
そして、茶菓が出されたら遠慮しないで、「ありがとうございます、頂きます」と言って、直ぐに頂かれたらいいでしょう。
暫くして、出された菓子や部屋の置物等を褒められたら、なおいいです。
予定時刻になったら、おいとまを切り出します。
帰宅する時は、スリッパは前向きで脱ぎます。
玄関でコートを着るように勧められたら、「ありがとうございます」といって着たらいいでしょう。
但し、手袋やマフラーは外で着用します。
最後に脱いだスリッパの向きを180度変えます。
家や職場に帰ったら、取り急ぎ電話でお礼を述べます。
さらに、その夜に、お礼の手紙をしたため翌朝投函します。
このお礼の手紙はとても大切です。
たとえ用件が叶わなかった時でも、心のこもった礼状はその人の品格を表します。