マナーうんちく話483≪現代の上座と下座②「和室編」≫
他家や他社を訪問した時に、持参した手土産をどのように渡すか?迷われた方も多いと思います。
マナー講座でも最も関心が高い分野ですから、再度詳しく解説して参ります。
お宅であれ、事業所であれ、相手を訊ねた時に手土産を渡す時に、注意して頂きたいポイントは、大きく分けて3つあると思います。
つまり、「どこで渡すか」、「どのタイミングで渡すか」、「どのような口上を添えて、どのように渡すか」だと思いますので、「好感の持たれるポイント」を、順を追ってお話しを進めて参ります。
勿論、ビジネスでもプライベートでも応用できますので、参考にして下さい。
手土産を渡す場所とタイミングは、基本的には部屋に通されて、挨拶がすんでからですが、例外も有ります。
手土産が、アイスクリームや海産物のように、直ちに冷蔵庫に入れて欲しい物や、農産物のように水分や土が付いている物、そして花束や生花のような物は、部屋に案内されてではなく、玄関先で、中身をキチンと説明したうえで渡して下さい。
この際、コートやハンドバック等は相手に一言お断りして、身近な所にひとまず置いて下さい。
そして、手土産を正面に向けて、中身の説明と共に、なぜこの手土産を選んだか?と言う、前向きの言葉を添えたらいいでしょう。
手土産は殆どの場合は、紙袋に入っていると思いますが、基本的には紙袋から取り出し、手土産のみ渡します。
但し、親しい間柄で有れば、そのままでもいいと思います。
また、美しい模様のある豪華な紙袋は、「紙袋もお願いいたします」等と言って、紙袋の下を持ち、相手が受け取り易いように渡されたらいいと思います。
加えて、部屋に入らない場合や、急ぎの時には、立ったままで渡しますので、「紙袋のまま失礼いたします」等と言って渡して下さい。
いずれも、紙袋は、あくまで風呂敷と同じように、中身を保護する目的ですので、袋のまま渡す時には、言葉足らずにならないよう注意して下さい
花束は直接渡しても良いですが、渡す時のポーズも、軽く膝を曲げるなどして頂いたらなお結構です。
無愛想な態度では、せっかくの花束が台無しですから、美しい笑顔を添えて下さいね。
また、ホームパーティーなどに招待された場合等には、手土産を持参する人や持参しない人もいますので、このような時には、持参しない人の事も考えて、人目に触れないところでさりげなく渡して下さい。
さらに、就職や結婚などで家を離れた人が、自分の実家に帰った時には、出迎えてくれた親・兄弟には、玄関先で手土産を渡しても大丈夫でしょう。
次回は、和室に通された時の手土産の渡し方です。