まなーうんちく話798《月々に 月見る月は 多けれど・・・。》
今日は昼の長さが一年で最も短くなる、二十四節季の一つ「冬至」です。
逆に、昼の長さが最も長くなる日が「夏至」ですが、冬至と夏至では、昼の長さがどれくらい異なるかご存知でしょうか?
昼の長さは、日の出から日の入りの時刻から図ることができますが、その差は5時間近く有るそうです。
昔の人々は、太陽を神とみなしていたので、太陽の力が最も弱まる冬至には、呪い等を行い、太陽の力を再生する儀式が各地で行われていたようです。
しかし、モノは考えようです。
冬至は昼が一番短くなる日で、次の日からは次第に長くなる日ですから、この日を最悪の日として位置づけ、後は上昇あるのみとする捉え方です。
冬至には「一陽来複」と言う言葉が良く使われますが、まさにこの考え方です。
つまり、冬が終わり、春が再生すると言う意味です。
結婚式は、大安が最も人気が高い日ですが、一方では、「仏滅」は最悪の日だが、この日に結婚式を挙げれば、後は上昇あるのみだから、あえて仏滅の日に挙げる人もいます。
今年が良い年でなかったら、今日の冬至を境に気分を一新して、前向きに過ごして下さいね。
ところで、前にも触れましたが、冬至には「かぼちゃ」を食べ、「柚子湯」に入るしきたりが有りますが、これは、カボチャは「南京(なんきん)」といわれ、「ん」の字が付く食べ物だからです。
ちなみに、カボチャの事を南京と呼ぶのは、中国の「南京」を経由して日本に伝わったからだそうです。
かぼちゃ(なんきん)を始め、ぎんなん、にんじん、れんこんなども、「ん」の字が重なるから、縁起が良いとされる食べ物です。
ではなぜ「ん」の字が付いたら縁起が良いのか?ご存知でしょうか?
「ん」の字は、仮名の最後の字だからです。
さらに、柚子湯に入るのは、「冬至=湯治」で、加えて、「柚子=融通」に繋がると言う、語呂合わせによる縁起担ぎのようです。
夏の土用の日に鰻を食す習慣を作ったり、753の日に縁起担ぎの千歳飴を販売したりするのと同じで、頭の良い銭湯の主人が、売上アップの秘策を練ったのでしょうね。
いずれにせよ、今の時期は何かと多忙で、身体にも心にも休息と栄養が必要です。
カロチンやビタミンの豊富なカボチャを食べ、身も心も温まる柚子湯に入り、健康と長寿を祈念し、そして、これから迎える春を前向きに捉えることは、とてもお勧めです。
カボチャと言えばハロウィーンが有名ですが、日本人の作った文化はそれなりに大切な意味を有し、日本人の暮らしに一番マッチしていると考えます。
今夜は、カボチャを食べ、柚子湯に入り、ゆっくり、おくつろぎ下さい。