マナーうんちく話388≪食欲の秋と「口福」≫

平松幹夫

平松幹夫

テーマ:日常生活におけるマナー

高齢化の進展、及び飽食と美食に伴い、「生活習慣病」が増加しています。

「美味礼讃」で有名な、「ブリア・サバァラン」をご存知でしょうか?
フランスの北大路魯山人とでもいいましょうか、名だたるグルメで、彼は、「どんな物を食べているか、言ってみなさい。あなたがどんな人かあててみせよう」と言う有名な言葉を残しています。

また、「新しい星を発見するより、新しい料理を発見する方が人間を幸せにする」とも言っています。
食事はそれくらい大切だと言うことです。

生活習慣病の原因は色々ありますが、食生活は大きなウエイトを占めます。
大袈裟に言えば、中年以降の人生は、食事により大きく変化すると言っても過言ではないと思います。

悪い食生活は、下手をすれば命にかかわります。
塩分、糖分、脂肪分を好む、酒を毎日飲む、無言大食等など。
これらが、やがてその人の、食事の習慣になるわけです。

しかし、あれもダメ、これもダメでも、折角の食事は楽しく有りません。
さらに、医学や栄養学の専門家の言い分も、かなり異なることが多々あります。

例えば、肉は極力食べない方が良いと言う専門家もいれば、肉は大いに食べるべきだと言う専門家もいます。

加えて一日二食でいいと言う専門家もいれば、必ず三食とりなさいと言う専門家もいます。どちらの説が正しいのか解りません。

さらに人生観も10人10色です。
我儘一杯に生きれば寿命は短くなってもいい人もいれば、できる限り我慢して細く長く生きたい人もいます。
どのような生き方を選択するかは、当事者次第です。

ところで、食事を美味しくする要素は何だと思いますか?
「空腹」、「料理の味」、加えて「雰囲気」及び「会話」ではないでしょうか?
どれを一番に持ってくるかは人それぞれです。

ホテルで、レストラン、バンケット、ブライダルの仕事を通じ、様々な食のシーンを演出しましたが、いずれも料理の味はとても大切です。経営に大きな影響を与えます。

しかし、「今日のパーティーは良かったなー」とか、「良い結婚式だったなー」と言う時には、雰囲気や会話が重要な要素をなしています。

会話なしで黙々と食べたりはしません。
また、政治や宗教や哲学めいた会話もしません。
主賓や会の目的にマッチした話題を楽しむのがマナーです。

同じテーブルに8人いて、7人は釣りが大好きですが、1人は釣りを全くしない人がいたら、それを尊重し、釣りの話はしないのがマナー美人です。

只今、食欲の秋です。
今年の秋は、どんな美味しい物を食べられましたか?

何を食べるかはとても大切ですが、それだけでは不十分です。
誰と、どんな状況で食べるかが大切です。
日本人の多くが苦手とするところです。
また、いくら美味しい物でも「ながら食」ではつまりません。

本当の「口福」な食生活は、豊かな人間関係とコミュニケーションが大切です。
楽しい会話の有る賢い食生活は、生活習慣病を遠ざけると思っています。
食欲の秋は、食べ方にもこだわってみられては如何でしょうか?

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平松幹夫
専門家

平松幹夫(マナー講師)

人づくり・まちづくり・未来づくりプロジェクト ハッピーライフ創造塾

「マルチマナー講師」と「生きがいづくりのプロ」という二本柱の講演で大活躍。「心の豊かさ」を理念に、実践に即応した講演・講座・コラムを通じ、感動・感激・喜びを提供。豊かでハッピーな人生に好転させます。

平松幹夫プロは山陽新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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