マナーうんちく話73≪話好きになる方法とは?≫
今まで、「話し上手は聞き上手」ということを、何度もお話して参りました。
一方的に話すのではなく、むしろ「聞き役」に徹することが大切です。
そして、人の話を聞く時には、必要に応じて「アイヅチ」を打つことがポイントになりますが、今回はそれについて触れてみます。
「アイヅチ」とは、江戸時代からの言葉で、鍛冶の職人が、刀を作る時に、親方が槌を打つ間に弟子が槌を打つことで、漢字では「相槌」、や「合槌」となります。
この際、互いに調子を合わすことが必要になるので、それが転じて、聞き手が、話し手に関心を示し、相手の話に合わす意味になったようです。
要は、相槌を打つことで、聞き手は、話し手の話すことに理解をしていることを示し、話し手も安心します。
そして、聞き手に対し好感を持つようになります。
但し、以上のように、相槌を打つと言うことは、話し手の話に対し、理解していることにはなりますが、同意していることにはなりません。
ところで、「人の話を聞くことの大切さ」、そして「相槌を打ちながら話を聞くことの大切さ」はわかっているが、具体的にどのようにしたらよいかは、良く解らない人も多いと思います。
そこで、相槌を打つ時のポイントに触れてみます。
ポイントは2つあります。
一つ目は、相槌を打つ回数を、出来るだけ多くすることです。
そして二つ目は、相槌に、メリハリをつけることです。
「素晴らしいなー」と感じたら、少々オーバーになる位の表情でするとか、「つまらないなー」と感じたら、冷たくあしらうとかです。
特に交渉事の場合は、「こちらに都合が良い」と思ったら、満身の笑顔で、大袈裟と思える位の相槌を打ち、「不都合な話し」をされたら、それを無視するような態度も、必要かもわかりませんね。
そしたら、相手も少し折れて来て、次第に条件を緩和してきますので、タイミングを見計らって「恐れ入ります」とか、「ありがとうございます」等と言って態度を好転させます。
また、相槌に多く使用される言葉は、「はい」「ええ」「うん」「そうですね」「ほんとう」「ほんとうに」「なるほど」「おっしゃるとおりです」「そのとおりです」「そうですか、しりませんでした」「そうですか、勉強になります」「びっくりしました」「始めてしりました」等がおなじみですが、相手が、最も喜ぶ言葉を意識して使用することがお勧めです。
「すばらしい」「すてき」「すごい」。
この3つの言葉を頻繁に発揮されたら効果は大きいですよ。
間髪いれずに、そして、「相手の目を見て」打つのがポイントです。
さらに、これらの言葉は、相手に好感を与える言葉ですから、何回発揮しても結構ですから、出し惜しみはしないでくださいね。
相手の話を聞く時に、姿勢をキチンと但し、タイミングに応じて、明るい笑顔で、相手の目を見て、心を込めて、相槌が打てる人はマナー美人で、良好な人間関係の築ける人です。