マナーうんちく話494≪和顔愛語≫
長い人生を、心豊かに、より善く生きていくには、良好な人付き合いが必要不可欠ですが、苦手な人が多いようです。
「人に会ったら挨拶をする」、「名前を呼ばれたらはい!と答える」、「過ちを犯したらごめんなさい!と謝る」、「人の話は目を見て聴く」等など、理屈では理解できていても、行動が伴わないのが常ですね。
勿論、人付き合いに対する、考え方や捉え方は様々です。
また、人付き合いに対し、どの位の価値観を置くかもしかりです。
しかし、「モノの豊かさ」より、「心の豊かさ」を求めている人の方が圧倒的に多い調査結果を鑑みるに当たり、誰しも、人付き合いの大切さを認識していることは確かなようです。
日常生活の中で、周囲の人達と良好な人間関係を築き、それを大切にしながら生きていくことは、幸せに直結することです。
そういう意味においても、現在の人付き合いを再確認してみるのもお勧めです。
先ずは、一番身近な人を大切にしているかどうか?
「親しき仲にも礼儀あり」が、守られているかどうか?
次に、近所や職場の人と、笑顔での挨拶があるかどうか?
とかく疎遠になり易い、遠くの親族や友人に、季節の挨拶状を出しているかどうか?等など・・・。
さらに、相手により、付き合いの度合いを深めることも、あるいは、浅く広く付き合うことも必要です。
世の中、何もかも多様化していますが、人付き合いも例外ではありません。
色々な人との付き合いがありますが、ポイントは「身近な人」との付き合いを大切にすることです。
出来る時に、出来る限り、一番身近にいる人を大切にして下さい。
そして、友人やビジネス上の付き合いはなるべく慎重にして下さい。
「人を見る目」を養うことが大切だと言うことです。
論語に「益者三友 損者三友(えきしゃさんゆう そんしゃさんゆう)」という言葉があります。
「益者三友」とは、自分にとって有益な友で、正直な友、誠実な友、博識の有る友のことです。
「損者三友」とは、自分にとって有害な友で、不正直な友、不誠実な友、人当たりは上手いが口先だけの友のことです。
友人は慎重に選びなさいと言う戒めですが、古今東西、正直で、誠実で、実直に生きている友達が近くにいれば、それだけで心が豊かになるものです。
親が子供に、指導的立場にある人が若者に、身を持って教えたいものです。
加えて、「この人とは、このような付き合いをしなくてはいけない」と、形にはめてしまうのではなく、「このような付き合い方も選択肢としてある」と言う、柔軟な発想も大切です。
世界的に大成功を収めた人や、若くして大出世した人を見ていると、意外にも、ずば抜けた頭の良さや、専門的知識より、人付き合いを大切にしていることに気が付きます。
今現在、付き合っている人が「益者三友」と言えるかどうか、改めて思い起こしてみるのもお勧めです。