マナーうんちく話34≪乾杯のマナー≫
彼女同伴時のフレンチレストランでのマナー③「ディナーを共にする意味」
「食事を共にする」ということは、
①相手の事をより理解したい。
②相手とより親しくなりたい。
という意味があります。
両家食事会や歓迎会等はまさにそうですね。
太郎と花子のディナーの目的もしかりです。
では、共に食事をすると、相手の何が理解できるかと言えば、
①発せられるボキャブラリーから教養のほどが理解できます。
②箸使いやフォーク・ナイフの使い方でお里が知れます。
③食事のスピード、すなわち、相手のスピードに合わせて食事をすることで、思いやりの心が知れます。
④椅子や畳での立ち居・振る舞い、及びスタッフへの言葉遣い等で、品格が知れます。これはとても大切なことです。
共に食事をすることにより、以上のようなことが理解できますが、ただ黙々と食事を進めるのではなく、それなりの観察力が必要です。
また相手を理解できるとともに、こちらのことも相手に知られると言うことで、早い話し、互いに心を分かち合うことになります。
だから、テーブルマナーが大切なわけです。
店のスタッフに謙虚な姿勢で対応する人、食事のスピードをこちらに合わせてくれる人、どんな料理でも常に「美味しい」の言葉と共に美味しそうに美しく食べる人、こちらの話を聞く時には箸やフォーク・ナイフを置いてキチンと目を見て頷きながら聞く人、箸やフォーク・ナイフの扱い方が上手な人はとても素敵な人だと感じます。
加えて、食事中の会話が豊富とくれば、もう最高ですね。
そして、以前、「美味しく食事ができることは最大の幸せ」だと申しましたが、「共に食事をする相手が存在する」ことは、さらに幸せだと言うことではないでしょうか。だから私は結婚を推進しています。
ところで、太郎と花子のように、異性同士が、「ディナーを共にする」ということは、特別な意味があると思います。
和食であれ、中華であれ、フレンチやイタリアンでも同じです。
また、高級レストランであれ、ファミレスであれ、ディナーはディナーです。
ディナーと言えば、普通私たちは、夕食とか晩御飯を意味しますが、ディナー(dinner)の本来の意味は、「一日で一番大切な食事」を意味します。
そして、その時間帯は、時代により大きな変化を遂げています。
従って、初対面で、いきなりディナーはお勧めできません。
また、ディナーを誘う方も、その点をよく考慮して誘って下さい。
誘われた方も、受けていい誘いなら、喜びを素直に表現していただいたらいいと思いますが、受けたくない誘いなら、曖昧にせず、相手を不機嫌にさせないように、キチンとお断りして下さい。
ビジネスや打ち合わせなどの一環として、異性同士が1対1の食事をするなら「ランチ」がお勧めです。
「食事を共にする意味」、「異性同士が1対1で夕食を共にする意味」を認識していただいたら、日常の食生活をさらに大切にして下さいね。
「食べることは生きること」と言われますが、栄養学的に、どんなものを、どのように調理して、どのくらい食べるか?も大切ですが、誰と、どのようにして食べるか?も、とても大切なことです。
日本は、「食の安心・安全」には敏感すぎる位、敏感だと感じますが、「楽しく食す」ことにも、より敏感になりたいものです。