マナーうんちく話494≪和顔愛語≫
昨日(7月7日)の朝は豪雨で大変でしたが、夜には晴れ渡り、夜空を見上げた方も多かったと思います。そして7月7日は二十四節季の一つ「小暑(しょうしょ)」です。梅雨がまだ開けていないので実感は有りませんが、いよいよ本格的な暑さが始まる日です。
二十四節季は、一年を二十四に分類していますので、それぞれの季節を六等分していることになります。
今年の夏は、5月5日の「立夏」、5月21日の「小満」、6月5日の「芒種」、6月21日の「夏至」、そして7月7日の「小暑」、7月22日の「大暑」となるわけです。
すなわち「小暑」は、「夏至」と「大暑」の中間に位置するので、本格的に夏らしい暑さを迎えるわけですが、この頃は集中豪雨に見舞われる頃でもありますが、残念ながら本当に当たりました。
そして、梅雨が明けて、盛夏を実感する暑い風が吹いてきたら、いよいよ「暑中見舞い」を出す頃です。
ちなみに「暑中」とは、夏の暑い最中を意味しますが、具体的には、今年の土用は7月19日ですが、丁度この頃から、8月6日の「立秋」の前日までを指します。
小暑を過ぎれば、暑中見舞いは出しても良いと思いますが、実際には梅雨の時ですから、頂かれた方もピーンと来ないかもしれませんね。
やはり今年は、7月19日から8月6日までがお勧めです。但し、7月19日になっても梅雨が明けていなかったら明けるまで、待って下さいね。
本来「暑中見舞い」は、何かとお世話になっている人の所に出向き、ご機嫌を伺うことでしたが、今では季節の挨拶状を意味することが多いです。
従って、暑い時期に書状で、相手の健康を気遣うと共に、こちらの近況も報告するものが暑中見舞いだと認識していただいたらよいと思います。
正月には「年賀状」、そしてそれを過ぎれば「寒中見舞い」が有りますが、それと同じように、疎遠になっている人、お世話になっている人に、交流を深める意味において、出来る限り、出していただきたいものです。
但し、8月7日の「立秋」を過ぎたら、「暑中見舞い」ではなく、「残暑見舞い」になりますのでご注意ください。
いくら暑くても、立秋を過ぎれば暦の上では「秋」ですので、「秋になっても暑さが残っている」という意味ですから、「残暑」になります。
勿論、この残暑見舞いは、「盛夏」という表現は使用しません。「立秋」「晩夏」等がお勧めです。
ちなみに、年賀状や寒中見舞い等でもよく見かける文章に、「大変寒い時期ですから、お身体ご自愛ください」とか、「暑さが厳しい時節ですから、御身ご自愛ください」等が有りますが、「自愛」は「自分で自分自身の身体を労わる」と言う意味ですから、「お身体」「御身」はダブりますので、省いた方が良いですね。
年賀状の、「1月元旦」のような表現と似ています。
また、こちらから暑中見舞いを出していない人から頂いたら、なるべく返事を書いて下さい。その際は、先ず暑中見舞いを頂いたお礼の文章を添えて下さい。
思わぬ人から、暑中見舞いを頂いて驚くことが有りますが、差出人は、貴方の事を気遣っていて下さるわけですから、それに対しては、丁寧にお礼を述べて下さいね。そして今後の交流を大切にして下さい。
お中元やクールビズ商戦は、年ごとに激しさを増しますが、日本の夏は、極端に暑い年も有れば、冷夏の時も有ります。暑中見舞いは、その年に合わせ、自分の言葉で表現されることをお勧めします。
いずれにせよ、おっくうがらずに、少しでも良好な人間関係を維持するためにも、先ず、筆を取られては如何でしょうか?