マナーうんちく話494≪和顔愛語≫
梅雨の最中ですが、今年もお中元の季節がやってきました。
日本人の多くの人が、盆・暮れにはお中元やお歳暮を贈ったり、贈られたりすると思いますが、意外にその起源を理解している人は少ないのではないでしょうか?
折角、贈ったり、贈られたりする以上、そのいわれを理解すれば、さらに充実するのではと思います。
既にこのコラムでも、「贈答のマナー」で簡単に触れていますが、今回はもう少し詳しく触れて見ることにします。是非参考にして下さい。
「お歳暮」は神様と深い縁が有る、日本古来のしきたりですが、「お中元」は、もともと中国から入ってきた習慣です。
古代中国には、1月15日の「上元」、7月15日の「中元」、10月15日の「下元」の日に神様を祀る信仰が有り、その中の中元が、仏教のお盆と結びつき、日本にもとらされて、仏様にお供えをするための贈り物を、親族に贈るようになったといわれております。
それが時代の流れと共に、お中元を贈る人が、上司、仲人、世話になった人達へと広まっていきました。
その内容も、今では多岐にわたっていますが、江戸時代の頃には「うどん」「そうめん」が主であったようです。
期間は、7月初めから7月15日までですが、地域差も有り、月遅れの盆の地域では、8月15日までになります。
但し、贈る時期により、「お中元」「暑中お見舞い」いずれかの表示になります。さらに、立秋(平成24年は8月7日)を過ぎたら「残暑お見舞い」になります。
ちなみに、お中元やお歳暮が日本に深く根付いたのは、日本人が、贈り物を通じ、心の交流を図りたいと願う気持ちが強かったことが、大きな理由ですが、加えて、江戸商人の商魂のたくましさや、明治になって登場した、百貨店の存在が大きいと思います。
特に、百貨店の戦略は、毎年大変大きな影響を与えていますね。
クリスマス商戦やクールビズ、ウオームビズしかりです。
また、贈り物を贈る時のポイントは、「相手を思いやる心」です。従って贈り物をする時には、直接相手側に出向き、日頃お世話になっているお礼と共に、渡すのがベターです。
しかし、百貨店等から送る際には、「送り状」を品物が届く前に発送されたらいいとおもいます。勿論、メールや電話で通知するのも今流でいいのではないでしょうか。
また、お中元をいただいた時は、先ず贈り物が届いたと言う報告と感謝を、電話やメール等で行います。そして、礼状を出されることをお勧めします。
このようにして、「贈る側」と、「贈られた側」が、心と心を通わせ、絆を深めるわけですが、基本的には、お中元を送ったら、お歳暮も送ります。
お中元とお歳暮を両方送ったら負担になる場合は、お歳暮を贈るようにして下さい。