マナーうんちく話223≪桜花薫る頃の優雅な花見≫

平松幹夫

平松幹夫

テーマ:歳時記のマナー

花見便りに心が浮き浮きする頃です。

当たり前のことですが、本来、「花見」とは、桜の花を眺め、愛でることです。
しかし、ご馳走と共に桜の美しさや華麗さを楽しむだけでなく、周囲の風情と桜の花の調和、さらにその雰囲気までも楽しむことができれば、同じ花見でもさらに楽しくなります。

だからこそ、晴れの国岡山には岡山の、四国には四国の、山陰には山陰の、そして北国には北国の花見の個性が存在するのではないでしょうか?

昨年は自粛ムードも漂いましたが、今年はお花見を予定している人も多いと思います。
お花見の計画は、「何時」「どこで」「どのようなスタイルで」「いくらの予算で」「誰と」等がポイントになります。

職場やサークル単位で、宴会を伴いながらの賑やかな花見も有れば、一人きりで、あるいは大切な人と二人だけで等など、色々な楽しみ方が有ってしかりですが、ここでお花見の際のマナーに触れてみます。

○桜の枝を折らないでください。
桜はとてもデリケートです。枝が折れたらすぐに適切な処置をしないと枯れてしまう恐れが有ります。

○桜の木の下には入らないでください。
桜の木の下で、ビニールシートを敷くと、とても根に負担がかかります。特にソメイヨシノは自生の桜に比べて弱いので労わってあげて下さい。同じ敷物でも「むしろ」や「ござ」は通気性が有って優しいですね。
ちなみに、桜の花が張っている下までは根が有るそうですので、その範囲内は避けた方がいいですね。

○場所取りも必要最小限にして下さい。
良い場所を少しでも広く!と思うのは常ですが、他者の事も気に掛けて下さい。
特に新人の幹事が、そのようなマナー精神を発揮して場所を狭く取ったら、先輩諸氏はその精神をけなす事無く褒めてあげて下さい。これが無いと互いの信頼関係は築けません。

○どんちゃん騒ぎをしない。ごみ処理や後始末をキチンと済ませて帰って下さい。
特にパブリックスペースでの飲み食いに伴うマナーは大切です。
そして、立つ鳥跡を濁さず!です。

○寒さ対策もお忘れなく。
桜や環境や他者に対する配慮はとても大切ですが、自分自身の事もしっかりガードして下さい。「男(女)心と春(秋)の空」と言われるように、春の天気は変わり易いのが特徴です。

ところで、冒頭に、花見とは桜を眺め愛でることだと申しましたが、桜を眺め、愛でる人を「桜人(さくらびと)」といいます。

最近、旬の話題として、テレビでも新聞でも、お花見の模様と「花見客」の様子やコメントが紹介されています。
内容は殆ど毎年同じような気がしますが、あまり「桜人」という表現は見かけませんね。

そこで今年は、花見の仕方を少し変えて見て、大切な人と一緒に「桜人」になられる事をお勧めします。

昨年の秋、紅葉狩りのコラムでも既にお話ししましたが、花見にせよ、紅葉狩りにせよ、どこで、どんなスタイルでするかより、「誰とするか」が、心豊かな生活をするにはとても大切だと感じます。

一人暮らしの人は、「大切な人」を見つけられる事をお勧めします。そのヒントはこのコラムの中に沢山あります。勿論一人での「桜人」も格別です。

また、「大切な人」がいる人は、共に「桜人」になることで、より絆が深くなります。
このような時間を共有することはとても大切です。
大事にして下さいね。

「花は桜木人は武士」、「梅と桜」。
「桜は7日」、「3日見ぬ間の桜かな」。

「さくら」に関する諺は多々ありますが、大きく分類して、前者のように美しさや華やかさを例えているものと、後者のように潔さや儚さを表現しているものが有ります。
いずれも、日本人が大切にしてきた心意気です。

今年は少し指向を変えて、「桜人」になり、ちょっぴり優雅なお花見をしてみませんか?
この時期ならではの至福のひとときです。


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平松幹夫
専門家

平松幹夫(マナー講師)

人づくり・まちづくり・未来づくりプロジェクト ハッピーライフ創造塾

「マルチマナー講師」と「生きがいづくりのプロ」という二本柱の講演で大活躍。「心の豊かさ」を理念に、実践に即応した講演・講座・コラムを通じ、感動・感激・喜びを提供。豊かでハッピーな人生に好転させます。

平松幹夫プロは山陽新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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