マナーうんちく話569≪泥より出でて、泥に染まらず≫
【冠婚葬祭の知識とマナー23】 「十五夜」+「十三夜」のお月見で幸運倍増!
日々、秋が深まり虫の音が儚く聞こえる頃です。
この時期になると、草花に冷たい露が宿り、作物の収穫に追われるようになります。
皆様方の地域では稲刈りは如何ですか?
10月9日(日)は二十四節季の一つ「寒露」で、「十三夜のお月見」の日です。
ところで、現在この地球上には190余りの国が存在し、その国を象徴する「国旗」があります。キリスト教の10字架をデザインしたもの、二色・三色等の色を基調にしたもの、太陽や月や星をモチーフにしたもの等など実に様々な模様が施されております。
中でも「星」が描かれている国旗は60か国位存在するそうです。その次が「月で」、「太陽」は日本を始め数カ国位でしょうか?
しかし世界規模で見てみると、意外に「月」は、多くの国で、生活の中に根をおろしているのですね。
日本は「日の出国」ですから国旗は太陽ですが、月への思いは格別なものが有ります。
さて、9月11日に「マナーうんちく話132《仲秋の名月とお月見ロマン》」のところで、「9月の仲秋の名月のお月見」(以下「一五夜」)に触れましたが、今回は「10月の「十三夜のお月見(以下「一三夜」)です。
「一五夜」は中国からの由来ですが、「十三夜」は日本独自の風習です。
もともと、「一五夜」をしたら、続いて「十三夜」もするものと言われていたそうです。
「一五夜」だけだったら「片月見」になり嫌われていましたが、「一五夜」と「十三夜」を両方したら、幸運に恵まれるという、言い伝えが有ります。
特に財運・成功運に恵まれるそうです。
「十五夜」は里芋をお供えするので「芋名月」ともいわれますが、「十三夜」は栗をお供えするので「栗名月」ともいいます。
里芋も栗も今が旬ですが、どちらかというと里芋の方が栗より早く収穫できるかもしれません。だからこのような名前が付けられたのでしょうね。
さらに「十五夜」は比較的天気が悪い時が多いのですが、「十三夜」は好天気に恵まれる日が多いというデータが有ります。
平安の頃より、「十五夜」と共に「十三夜」が重んじられてきたのは、「十三夜の月」も「十五夜の月」に勝るとも劣らない美しさが漂うからではないでしょうか?
「十三夜」は幾分寒気が増しますが、その分すっかり秋めいて風情が感じられます。
月に焦がれて生活してきた、古の人々と心を通わせて見るのもお勧めです。
平安貴族は、十三夜には一同に会し、詩歌を読みあったそうですが、このような風流を持ち合わせていない現代の我々凡人には、月にちなんだ名曲と共に楽しむのも良いかもしれません。もっとも私には「月の沙漠」「荒城の月」位しか思いつきませんが・・・。
やはり十三夜の頃になると燗酒が恋しくなってきます。
「日本の秋は世界屈指の美しさ」だといわれる所以は、単に景色が美しいだけでなく、このようなココロの文化を兼ね備えているからではないでしょうか。これこそ日本の宝だと感じます。放射能で汚染されるようなことだけは断固阻止しなければいけません。