マナーうんちく話297≪彼女同伴フレンチのマナー⑦≫
食事のマナー25、「グラスの知識とマナー」
{シャンパングラスはマリー・アントワネットの乳房の形?}
前回のカトラリーに続き、今回は「グラス」を取り上げます。
洋食は酒類が多種多様です。
酒の種類は、製造方法としては「醸造酒」(日本酒・ワイン・ビール等)、「蒸留酒」(ウイスキー、ブランディー、焼酎等)、「混合(成)酒」(リキュール等)に分類されますが、飲むタイミングで「食前酒」、「食中酒」、「食後酒」に分けられます。いずれにせよ、それにふさわしいグラスが存在します。今回はグラスの知識やマナーに触れてみます。
○グラスの形
・グラスに、足が付いているものと、付いてないものがあります。
・グラス部分が、横に広がった平型と、縦長のフルート型と、丸くふくらんだバルン型があります。
○グラスの用途別
・「ゴブレット」と呼ばれるセットされているグラスの中でも一番大きなグラスです。水やビールが注がれます。
・「タンブラー」はゴブレットと同じような目的で使用されます。通常の「コップ」です。
・「赤ワイン用グラス」。
・「白ワイン用グラス」。
・「カクテルグラス」・「ウイスキーグラス」・「ブランディーグラス」・「リキュールグラス」
・「シャンパングラス」は平型とフルート型が有ります。
フルート型はレストランなどで主に使用され、シャンパンの泡が立ち込めるのが良く解り根強い人気があります。平型は宴会などでよく使用されます。結婚披露宴でお目にかかった人も多いと思います。
ところで、西洋の歴史を語る上で避けて通れない人物に、マリー・アントワネットの存在が有ります。14歳でフランスに嫁いだオーストリアの皇女で、数多くのエピーソードが有るのはご存知の通りです。例えば、7歳の時モーツアルトから求婚されたとか、ハンカチを正方形の形に決めたとか・・・。
そして平型のシャンパングラスの形は、実はマリー・アントワネットの左の乳房からとったという有名な伝説もあります。いつか、そのグラスで乾杯するような機会が有れば、是非話の話題にしてみて下さい。
22年1月に岡山県立美術館で開催された、「華麗なるオーストリア大宮殿展」をご覧なられた方も多いと思いますが、マリー・アントワネット、魅力的な人でしたね。そして結構豊かな胸をされていましたね。となると、シャンパングラスは幾つくらいの時の乳房だったのでしょうかね?
ちなみに、1本のシャンパンから、どの位泡が出ると思いますか?
定かではありませんが、約2億位だそうです。これもネタになりそうですね。
またシャンパンの泡はすぐに消え失せますが、ビールの泡は持続性があります。
○産地別のワイングラス
フランスには、世界的に有名なワインの産地が沢山あります。ボルドー、ブルゴニュー、プロバァンス等など。そしてその地域で作られたワインを最もおいしく飲めるように、それぞれの地域で、それぞれの形をしたワイングラスが有ります。
○グラスの持ち方
・ワイングラス、リキュールグラス、シャンパングラスなど足つきのグラスは脚の部分をしっかり持つことが基本です。
・タンブラーなどはグラスの上の部分は口をつけるので、基本的にはグラスの下の部分をしっかり持ちます。
○グラスにもマナーを
・日本酒用のぐい飲みと異なり、ワイングラスやシャンパングラスはとてもデリケートに出来ています。大切に扱ってあげて下さい。このようなグラスで乾杯する時、基本的には、グラスとグラスはあわせません。でも隣の人から求められたら優しく合わせてあげて下さい。ちなみに、乾杯の時、グラス同士を合わせるのは「ビアグラス」くらいです。
・家庭でグラスを使用された時、当然使用後は洗わなくてはいけません。グラス専用のスポンジでいったん洗い、その後60度から70度位のお湯に通して下さい。さらに、グラスを拭く時は麻の布がお勧めです。
マナーには「人に対するマナー」「目に見えないモノに対するマナー」、そして「物に対するマナー」が存在します。美味しいワインやシャンパンを飲んだ後、そのグラスにまで、思いやりの心を発揮できる人はハッピーな人です。