マナーうんちく話98≪フルコース知識とマナー≫

平松幹夫

平松幹夫

テーマ:洋食のテーブルマナー

マナーうんちく話98《フルコース知識とマナー》

食事のマナー23、「フルコースを優雅に・・・」

フランス料理のフルコースは、勢を極めたご馳走の代名詞のようですが、それを裏付けるように、この度フランス料理がユネスコの無形文化遺産に、料理として初めて登録されました。勿論世界の食文化には多様性があるので、和食の会席料理派、中華料理派、イタリア料理派等など好みや思いはまちまちでしょうが、ユネスコはフランス料理に軍配を上げましたね。

私も約40年前からホテルのフレンチレストランで勤務していた経験上、最もだと思います。
理由は、兎に角ソースの種類が多いこと、そしてそれらが美味であること、見た目が大変美しいこと等にあります。加えて、料理とシャンパンやワインの組み合わせ、優雅なテーブルセッテイング等も他の追従を許さないものがあり、国際交流の場でも、ビジネスの場でも、さらにおめでたい席の料理としても、すっかり定着しています。
日本でも結婚披露宴などで饗されることが多いです。
大都会ほど、結婚披露宴の料理はフランス料理の割合が高いようですが、岡山県はどちらかと言えば和食が多い気がします。

ここで伝統的なフルコース料理に触れておきます。

オードブル⇒スープ⇒魚料理⇒肉料理①⇒ソルベ(シャーベット)⇒肉料理②⇒サラダ⇒デザート⇒フルーツ⇒コーヒー

結婚披露宴などでは上記のように進行するケースが多いです。
・オードブルの前に食前酒(アペリティフ)が出される時もあります。
・肉料理は、焼いたものとローストしたものの2種類か、もしくは牛や羊などの家畜類と、鴨や七面鳥などの野禽類の、2種類になるケースがあります。
例えば、肉料理①で「牛フィレ肉のグリル、マデラーソース」、肉料理②で「鴨のロースト、グレービーソース」などです。
・ソルベは、次に出てくる料理のために、口の中をさっぱりさせる目的で出されます。
・肉料理を一品省いて、魚料理と肉料理の間にソルベを出すケースもあります。
作る人、予算、季節、目的等により様々です。

基本的には以上のようですが、いずれにせよフルコースはかなりのボリュームがあり、日本人の胃袋には負担が大きいようです。さらに、白ワイン、赤ワイン、シャンパン等が加わると、胃も肝臓もかなり丈夫な人でないと、充分堪能できません。

また、結婚披露宴ではあまり見られませんが、たまにデザートコースに入る前に、チーズが饗されることもあります。ここでまた、それにマッチするワインが登場します。
こうなると、私なんかはもう耐えられなくなります。ギブアップです。

次にフルコースの食べ方ですが、フォーク・ナイフの使い方は後で解説するとして、ここでは食べるスピードが大切です。主賓に合わすようにして下さい。50人位のフルコースの席で、全員が食べ終わるのを待っていたのでは全ての料理をサービスするまでかなり時間を要しますので、主賓を始め周囲に合わすのが通例です。
食べるスピードが遅い人はご注意ください。

また1卓6―7人位の丸テーブル等に座っている時には、同じテーブルの人がスピーチをしている時は、フォーク・ナイフは置いて、その人のスピーチを聴いてあげて下さい。


ちなみに「晩餐」とは、正装して出席しなければならないディナーパーテイーのことですが、その中で最も格式の高いものを「正餐」と言います。しかし今日では、正餐と言う言葉が一般的に使用されているようです。

そして各国のトップレベルの人が、パーテイーや国際会議などで、守らなくてはいけない決め事が色々あります。国旗の取り扱い、列席者の序列、服装、室内への出入り、食事等などです。この決め事を成文化したものが、これまで何回もこのコラムに登場してきた国際儀礼・外交儀礼、すなわちプロトコール(protocol)です。
まったく異なる習慣や文化を有する外国人同士が、スムーズに交流できるようにしたものです。洋食のテーブルマナーはこのプロトコールを基本にしております。

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平松幹夫
専門家

平松幹夫(マナー講師)

人づくり・まちづくり・未来づくりプロジェクト ハッピーライフ創造塾

「マルチマナー講師」と「生きがいづくりのプロ」という二本柱の講演で大活躍。「心の豊かさ」を理念に、実践に即応した講演・講座・コラムを通じ、感動・感激・喜びを提供。豊かでハッピーな人生に好転させます。

平松幹夫プロは山陽新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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