マナーうんちく話101≪グラスと貴婦人の乳房≫
マナーうんちく話87《ハッピーな食卓とは?》
食事のマナー12、「家庭の食卓におけるマナーの意義と家族の幸せ」
このシリーズで、食事を共にしたら「お里が知れる」と申しましたが、家庭における食事のあり方は、その人の「人生のあり方」に、大変大きな影響を与えることは明白な事実だと思います。しかし、「家庭の食卓におけるマナーのあり方」を説いた本は、あまりみかけません。先ず、家庭でテーブルマナーを身につけて、それを、外で発揮することが大切です。そこで、今回は「家庭の食卓におけるマナーのあり方」に触れてみます。
○先ず、家族が揃って、食卓を囲む意義を、再認識して下さい。
仕事優先か?夫婦あるいは家族だんらんが優先か?可能な限り、家族全員が食事を共にする時間を作って下さい。「家族の絆は食卓から!」です。
○「食材」「料理を作ってくれた人」「働いてご飯を食べさせてくれる人」等への感謝の気持ちは、はっきりと態度に出したいものです。つまり、「いただきます」「ご馳走様」の挨拶、姿勢を正す、「ながら食」をしない等は基本的なことです。
○お洒落して、楽しい会話に心がける。
食事中の服装は大切です。お洒落は、食卓の雰囲気を盛り上げるために必要なのです。そして、愚痴や他人の悪口は、美味しい料理もまずくなります。楽しい会話で食卓を盛り上げて下さい。子どもに、お父さんの仕事の話等を前向きにしてあげれば、キャリア教育にとても有意義です。
○思いやりの心を発揮する。
テーブルマナーでとても大切なことの一つに、相手とスピードを合わせることがあります。
早すぎたり、遅すぎたりしないように心がけて下さい。食事のスピードを相手に合わせることにより「思いやりの心」が育まれます。
○また、マナーは思いやりの心、感謝の心、尊敬の心であり、またそれらを態度や言葉で表現したものです。目上の人が、箸やナプキンを先にとります。特に子どもの場合には、目の前にご馳走があればすぐにでも食べたいところですが、けじめをきちんと教えるべきです。要は目上の人(祖父母・父母)に感謝と尊敬の念を抱くことです。
○メニューは子ども中心ではなく、大人中心!
「働いて稼いでいる人の好み」が優先されるべきだと思います。子どもの好みに合わせるのは、週に1回か2回位がいいと思います。また、生肉とか河豚のような、リスクが伴うものは、注意しなければいけません。食べ物の好き嫌いは感心しません。
○食器、グラス類を正しく使うこと。
箸、フォーク・ナイフ・スプン、お椀、グラス類等を、姿勢を正し、正しく使うことが大切です。食器、グラス類はとても合理的に作られています。それにマッチした正しい扱い方が大切です。特に、日本人なら正しい箸やお椀の扱い方は、くれぐれも大事にして下さい。なを、正しい箸使いに関しては、2010年9月5日のマナーうんちく話2「箸使いのマナー」を参考にして下さい。
マナーは、その国の文化、風土、歴史、国民性、宗教等により大きな違いがありますが、いずれの国も「テーブルマナー」をとても大切にします。「生きることは食べること」で、テーブルマナーは「生きることに直結するマナー」だからです。
「ローマは一日にして成らず」の諺の通り、テーブルマナーも簡単には理解できません。常に、親は子供に教え続けなければならないと思います。
国際化が進展してきた今、小学校で子供に英語を教える時代です。
ならば、家庭の食卓では、親が子供に「自国の食のあり方」を、しっかり教えるべきだと思います。「英語を学ぶこと」と、「箸を正しく持ち、感謝の気持ちを込め、楽しく食事ができること」が、両立できれば理想的ですね。
特に日本では、様々な国の料理が食べられています。和食、洋食、中華等。
そして、それらのマナーは、共通しているところもあれば、まったく異なることも多々あります。例えば、和食は器を持って食べますが、洋食は逆です。つまり状況別に教える必要が多々あります。
日本では「親は子の背中を見て育つ」といわれ、西洋では「雛鳥は親鳥のさえずるようにさえずる」と言われます。さらにナポレオンは「子どもの運命は常にその母親が握っている」と言いました。「フィニッシングスクール」でも、テーブルマナーが最優先される理由が理解できる気がします。
ハッピーな人生を築く最良の方法は、家庭の食卓に有るのではないでしょうか?