マナーうんちく話498≪うかつ謝り≫
マナーうんちく話⑯《女心と男心!本当に変わり易いのはどちら?》
秋も深まり10月23日は「霜降」です。
「霜降」には、いろいろな読み方と意味があります。
肉の好きな人は、脂肪が網の目のようになった「霜降り肉(しもふりにく)」を、また料理をたしなむ方は、肉や魚を料理する時にいったん熱湯に通したり直接かけたりする「下ごしらえ」をイメージされることと思いますが、ここでは二十四節季の一つ「霜降(そうこう)」について触れてみます。
霜降とはこの日から11月7日の立冬までの期間で、霜が降り始め小雨がしとしとと降り、やがてもみじや蔦(つた)が紅葉してきます。
日一日と夜が長くなり、「灯火親しむ頃」でもあります。
読書や家族団らんにもってこいですね。
また、「天高く馬肥ゆる頃」です。
飽食の国日本では、秋は空気も澄み渡り空が高くなり、実りの秋・収穫の秋・味覚の秋を上手に表現した意味でつかわれていますが、中国では、夏に痩せていた馬が、秋になり草をしっかり食べ、肥ってたくましくなってくると、その馬に乗って盗賊が来襲するので、この時期にはくれぐれも注意をするようにとの意味だそうです。
日本の解釈は本当に平和的ですね。しかし必ずしも外国では其れが通じるとは限りません。
そういえば、日本の礼儀・作法はほとんど、平和な社会背景から生まれているようです。
障子・襖等はその典型でしょうね。
ところで、この時期になってくると、高気圧と低気圧が交互に日本の上空を通過するので、天気が非常に変わり易い時でもあります。
朝は爽やかな秋晴れだったのに、1時間もしないうちに曇り空になり、やがて雨が降り出し困った経験をお持ちの方も多いと思います。
特に、山陰や北陸では天気の移り変りが激しく、「弁当忘れても傘忘れるな」と言われていますが、「晴れの国岡山」でもこの時期ばかりは崩れやすい時です。
秋が深まってくると、変わり易くなるのは天気だけではありません。
ヒトの心も、秋の深まりと共に感傷的になり、変わり易くなってきます。
では本当に、秋の空のようにコロコロと変わるのは「女心」「男心」どちらでしょうか?
皆さんはどのように思われますか?
結論は、「女心と秋の空」「男心と秋の空」どちらでもいいそうです。
もともとは、「男性の女性に対する愛情」が移り変わるので、「男心と秋の空」といわれていました。江戸時代に家長制度の元、男性は絶対的な存在であり、少々の心変わりには世間は寛容だったようです。実は江戸時代の日本は世界屈指の離婚大国だったようです。
一方、私たちの時代は「女心と秋の空」と習いました。男の私は頭からそれを信じていました。またフランスでは「月が変わるように女心も変わる」、さらにイギリスでは「しばしば女心と冬の風は変わる」という諺が存在します。
ともあれ、古今東西、女心も男心も、身勝手さからしばし心変わりするのは世の常でしょうが、できる限り、心はいつも「秋晴れ」「日本晴れ」でいたいものです。
晴れの国岡山県人は特にそうありたいですね・・・
そして大切なことは、互いに「男の心理」と「女の心理」をしっかり理解し、其れを最大限に尊重するということではないでしょうか。
男女間の思いやりとは、すなわちそういうことだと思います。
さすれば、恋も恋愛も、そして夫婦円満もうまくいくと思います。
霜降を迎え、季節はいよいよ木枯らしが吹いてくる冷たく寒い冬へとなびいていきます。
どうぞお体を大事になさってください。
また、肥えるのは馬だけにしていただき、食べすぎ、飲みすぎにもご用心ください・・・