マナーうんちく話498≪うかつ謝り≫
平松幹夫の マナーうんちく話4 《目指そう!マナー美人》
例えば、その女性がそこにいるだけで、場が盛り上がったり、明るくなったり・・・
33年間ホテルでの接客の仕事を通じ、そんな素敵な女性に多々巡り合いました。
女性にとって外見的な美しさはとても大切です。
ブランドにこだわる気持ちも良く解ります。
しかし、その場の雰囲気を盛り上げたり、明るくしたりする魅力は、外見的なものより、むしろ内面的な美しさから発信されていると思います。
私の経験ではほとんど例外なく・・・
好感をもたれるには「内面的な輝き」が大切だということです。
つまり「マナー美人」になることです。
よく正しい挨拶の仕方とか、名刺交換等のマナーなどで「形」が問われていますが、私はその前に「心」有りきだと思っています。
「美しい心」があってそれを「美しい形」にすることが大切だと思います。
形には必ず「合理的な意味」が存在するということを理解いただき、誰からも好感の持たれるマナー美人を目指して下さい。
ポイントは3つあります。「人を幸福にする」「人を不幸にしない」「人を尊敬する」です。
★人を幸福にする
人を気持ちよくさせることです。これは全て感謝の気持ちから生まれます。そしてこれ
は全てのマナーの基本の基本です。心のゆとりや教養を持つこともいいですね。
具体的には
・話を聴く・称賛する・笑顔で接する・ユーモアセンスを身につけるなどです。
・「すいません」の言葉より「有り難う」の言葉を連発して下さい。
・挨拶は「先手必勝」で「前向きの言葉」を添えて下さい。
・話を聴く時はキチンと姿勢を正し相手の目を見て下さい。「話し上手は聴き上手」です。
・相手の良いところを褒めて下さい。褒めるのが苦手な人は先ず天気を褒めて下さい。
「豚もおだてりゃ木に登る」には一理あります。
人に自慢話をしないのはマナーですが、人の自慢話を聴くのもマナーです。
・「笑う門には福来り」です。笑顔の大切さを認識して下さい。
ちょっと上級になりますが、電車内で靴を踏まれて、踏んだ相手から「申し訳ありませ
ん」と謝られて、「いえ、こちらこそ申し訳ありません」と返せる人は最高です。
★人を不幸にしない
人に不快感を与えないことです。うわさ話や他人の悪口などは慎むということです。
日本人独特だといわれておりますが、電車内でのお化粧(移動化粧)。誰に迷惑をかけるも
のではないので、勝手だと思われている人も多いようですが、見る側はあまり気分いいものではありませね。
またレストランでの服装。私がホテルに入りたての頃、フレンチレストランの入り
口で、キャプテンはノーネクタイのお客様にネクタイ着用をお願いしておりました。
これは、ノーネクタイそのものが悪いのではなく、部屋の雰囲気をそれなりに高めるこ
とに協力下さいという意味です。客だから勝手だろうという論理は困ります。
「お客様は神様」という本当の意味を理解して下さい。(後に触れます)
さらに肌を露出した服装。神社仏閣、教会などでは神様への配慮が必要です。また胸が
大きく開いた服装。乳がんなどで苦しんでいる人も多いので気配りがほしいですね。
★人を尊敬すること
これも世界共通の非常に大切なマナーです。日本には特に「敬語」が存在します。
申すまでもなく尊敬の心を言葉に表したものですね。
美しい敬語を話せる人はとても魅力的です。
さらに日本の挨拶は尊敬の度合いにより頭を下げる角度も異なってきます。
また人を尊敬することの中で特に大切にされていることは「お年寄を敬う心」です。
日本の祝日に「敬老の日」があります。間もなくですね。
その趣旨は「多年にわたり社会に尽くしてきた老人を敬愛し、長寿を祝う」ことです。
毎年大きなビジネスチャンスとして取り扱われますが、その本質が見えないような気もします。
この夏多くのお年寄りが消えました。しかもギネスに登場するような高齢者が・・・
役所の戸籍係りは何のためにあるのか素朴な疑問も湧きますが、自分の年老いた親が不
明になっても何とも思わない子ども、親が死んでも弔いもしない子ども。家族間・親族
間・地域間の絆が薄れていることだけは事実のようです。
今のうちに何とかしなければいけませんね。
以上の3点が誰からも好感をもたれる「マナー美人」になるためのポイントです。
私は「就活」「婚活」「夫婦円満」「キャリアアップ」「自分磨き」さらには「心豊かなシニアライフ」等が専門分野ですが、これらのキーワードは全て「好感をもたれること」です。
就職面接試験もポイントは如何に面接官に好感をもたれるかです。
お見合いも相手に好感をもたれるか否かで決まります。
ビジネスもお客さんに好感をもたれることが非常に大切です。
さらにお年寄りには、好感の持たれる生き方は「健康寿命」の増進に大変効果があります。
これは医学的にも立証されていますし、WHO(世界保健機構)も推進しています。
意外に思われるかもわかりませんが、マナーは健康増進に大きく貢献しています。
若い人も、何時から始めても早すぎることは有りません。
高齢者の方も、もう遅すぎることは有りません。
思い立ったら吉日です。
「マナー美人」を目指し、できることから実行して下さい。