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京都コムニタスでは、そろそろ必修の授業で、面接対策をしていきます。そこでの質問で時々あるのが、圧迫面接についてです。面接に限らずかもしれませんが、会話の基本は、要は相手がどう受け止めるか、ですから、相手方のこちら側の受け止め方に齟齬を少なくしておくと、比較的うまくいきます。想像力が足りないと、相手方を不快にしたり、「炎上」するような差別的な発言をして、取り返しがつかないことになります。少なくとも研究の世界では、差別は受け入れられません。まずは自分の発言から気をつけていくのは基本です。しっかり想像力をもって、相手の受け止め方を強く意識するところからが圧迫面接対策のスタートです。
圧迫面接について不安をもっている人は少なからずいます。それはそうだと思います。面接を受ける側からすると、圧迫される意味がわからないし、それが意図的なものならばともかく、明らかに機嫌が悪かっただけということもあり、受験生からすると、いずれであっても不快な印象しか残らないものです。ただ、近年は、例えば、「怒鳴られる」「ものを投げられる」などといったこれぞ圧迫という圧迫面接は目に見えて減少しています。以前、首を傾げたくなる面接をされた大学院がありましたが、この面接を受けた人は、結局合格したのですが、もちろん、この大学院には行きませんでした。こういった理不尽な圧迫をする時代は、私たち第二次ベビーブーム世代までだと思います。この世代は、結構いろいろな圧迫を受けました。今は、こんなことをすると、人材を逃してしまうわけですから、非常に無意味かつ大学院にとっても不合理な行為です。
昔は、面接で受験者を不安にさせると、その人の本性が分かる、というそれこそエビデンスのない考え方が存在したようです。一方で、最近の傾向ですが、圧迫されたと認知してしまうケースです。おそらく相手方には、圧迫の意思はないのにも関わらず、自分だけが被害者になっているパターンです。これはこちら側の問題ですから、感情知能を高めていく訓練から始めて、感情制御ができるようになっておく必要があります。あとは、相手方の性質ももちろん関係します。正直なところ、攻撃性の高い先生もいます。質問がかみ合わず、「それどういう意味?」を連呼する人は少し危険です。「それはこういう意味?」とすりあわせる意思を示してくれる人は大丈夫なのですが、「どういう意味系」の人は質問と詰問の区別がついていないケースがあります。「どういう意味系」の人は、スタートから相手が間違っているというところから話が始まりますので、説明を尽くす必要があります。
当塾では受験報告書を提出して頂いてますので、前期試験でどのような面接があったかは概ね把握しています。
しかし、こんな現代社会でも今年、驚くような面接がありました。
申し訳ないのですが、最初から明らかに難癖をつけてきていたと思います。
その方は音楽に関係する研究計画は書きました。
研究室訪問もして、その分野の先生からも了承を得られていました。
そこには音楽療法という言葉は一度も使いませんでしたし、本人も別に音楽療法をしたいなどと考えてはいませんでした。
それにも関わらず、面接では
「うちでは音楽療法の授業なんてありませんけど?」
「科学の意味分かってます?」
「科学は数字なんですよ?」
もう一人の男性の面接官はTシャツ短パン姿で、
「その研究なら脳科学がいいと思うけど、論文読んでないの?」
挙げ句の果てに、最初の面接官は
「私が聞きたいのはこれだけ」
でその人の書類をポンと前に捨てたとのことです。
この件について、私は今年度の入試が終わり次第、当該の大学に質問状を出し、その先生に直接話しに行こうと考えています。現代社会でこんなことが許されるとは思えません。
あまり不誠実なら、今話題のオールドメディアや、新しいメディアにどんどん出して行こうと思っています。
とはいえ、実際には、近年は、誰がどうみても圧迫だろうという面接は、かなり減っています。
本件のような事例はほとんどないと言えると思います。
この仕事を始めたころは、「本当にこんな人がいたのか」と思えるような面接官もいました。徹底的に圧迫(というより攻撃)されたという人もおり、話を聞くと、「そんな大学やめとき」と言ったこともありました。
一般に圧迫面接というのは、面接官から、厳しい質問をされたり、高圧的な態度で出られたり、答弁の揚げ足を取られたり、(容姿などを)侮辱されたり、などなどいくつか指摘できることがあります。昔は女性が受験した場合、明らかにセクハラと言える質問がありましたが、今はそういう面接がなされることはかなり減ってきていると言えます。当塾の受験報告書を見てもほとんどそういったケースはありません。もちろん、こちらの受け答えに不備があり、面接官がいらっとするケースはなきにしもあらずです。
過去にあった圧迫の具体例としては
「公式の試験とは違う場で、教員と話した時の発言を記憶しており、研究計画の内容が少し異なっているということで怒り出した」
「年齢をしつこく聞かれ、その年齢で勉強したくなった意義を教えてください」
などなど、嫌がらせとしか思えない面接内容でした。とはいえ、相手方からすると、言い逃れしきれるようにはなっていると思います。だからなぜこのようになったかを、相手方の大学や教員に言ってみてもそれはそれは見事な言い分を用意してくれるでしょうからあまり意味をなさないでしょう。それよりも傷口に塩をぬられるだけでしょうから、やめておいた方が無難です。
(私が代わりにしようと思います)
圧迫面接をされ、内容があまりにも理不尽な場合、基本的には、そんな大学に行かない方がよいと思います。また、その面接の場で、適切な態度で、面接官に理由を話し、その場を立つことも考えた方がよいと思います。さらに、どうにも納得がいかない場合は、その大学の入試科に問い合わせて、面接の詳細を話し、それがセクハラ、ないしはパワハラに相当するかどうか、大学の基準を聞かせてもらうこともおすすめです。今の時代、インターネットでの評判は非常に重要です。インターネット書き込みの全てを信じる人はいないでしょうが、「火のない所に煙は立たない」と考える人もいるでしょうから、やはり無用の誹謗中傷は受けたくないものです。その意味では、インターネットは、圧迫の定義にも影響を及ぼすようになったと考えられます。ブログやX(ツイッター)などSNSがあり、誰でも情報発信ができます。大学もそのあたりのことはわかっていますので、誠意のない回答をした場合、そのまま情報が出回ることもありますので、慎重な回答をしてくれると思います。ただ、あまりそんなことにエネルギーを使うよりも自分に合う大学を探すことにエネルギーを使った方がよいでしょう。
本来、圧迫面接とは、わざわざ圧迫するわけですから、そこに意図があるものです。例えば、対人職の場合、どうしても理不尽なことをクライエントから言われます。それに耐えうるかどうか、適性を見られていると、言われてしまえばそうかもしれません。
本質的にあえて意図をこめて圧迫的に面接を行う場合、問われているのは、感情処理能力と言って良いと思います。いわゆるEQの高さが問われているのです。嫌な質問をされて、すぐに顔に出る人は不適切ですし、嫌みに対して嫌みで返すのも、大人の対応とは言えません。怒る、泣くは論外と言って良いでしょう。
圧迫とまで言えるかどうかはわかりませんが、今時の厳しい質問事例をあげてみると、
「この試験に落ちたらどうしますか?」
これの回答は決まっています。言い方はいろいろあるとして、要するに「次の試験を受けます」ということを伝えなければなりません。なぜなら、志望理由では「貴学でなければならない理由」を言うわけなので、他の学校に行くと言えば、もちろん矛盾します。よくあるパターンとして、「これを最後と思っている」「背水の陣で・・」という人もいますが、これは、負けの一手です。これも「貴学でなければならない理由」に抵触するのです。私がいつも言っているのは志望理由は憲法のようなもので、その他の発言はこれに抵触しないように作ることが重要だということです。
また、例えば元教師の人に「教師であったことのデメリットを言ってください」といった質問もありました。これは現代風の圧迫の類と言うことができます。デメリットをそのまま答えたとして、「じゃあ○○点だそう」となるかといわれると、ちょっと難しいのかなと思います。
近年は、商品でもデメリットを書いておかないと売れないという法則がありますが、それはメリットを凌駕してしまわないようにしておく必要があるということです。
面接対策は、今は圧迫であるかどうかにこだわりすぎす、感情処理をできる能力を身につけ、不健康でネガティブな感情に負けないように訓練をすることと、あとは、過去の質問事例をしっかり見ておき、これが聞かれると、嫌かもしれないという項目をリストアップしておくことです。
それでもあまりにも酷いと思えるものがあると、私もどんどん意見を大学側に言っていこうと思います。