新年度最初の臨床心理士指定大学院の選び方

井上博文

井上博文

テーマ:後悔しない臨床心理士指定大学院の選び方

いよいよ4月、新年度は始まりました。
この時期は、臨床心理士指定大学院に限らず、受験をするかどうかも決まっていない人は少なくないと思いますが、受験を意識している方は、もう学校選びを始めておく時期です。願書や要項は通常5月くらいに出ますので、今のうちからアンテナをはっておきましょう。
一方で、公認心理師が出来て以来、早めの準備や心構えをお考えの方も多く、来年の受験や今年の後期の受験をお考えの方からのお問い合わせもあります。やはりどのように学校を選べばよいかという質問をたくさんいただきます。来年以降の受験の方は、まだ完全に決めてしまう必要はありません。現段階では、シンプルですが、「行きたい大学」とその根拠を考えておくのが一番重要なことです。やはり自分に合う大学であったり、どうしても行きたいという思いが、入学後生きてきます。志望校選びの基準を以下に記します。特に順番は関係ありません。
①好み(最初はなんとなくでもいいです)
②学費(金額は学校によって結構異なります。高いより安い方が良いかもしれません)
③施設(きれいならいいと言うわけではありません。設備が整っている、必要なものがそろっている。図書館が充実している)
④交通(通いやすいかどうかを重視する人も多くいます)
⑤学校の雰囲気(自分に合うかどうかがポイントです。)
⑥指導体制(指導教授選びは、人生に関わりますので重要です)
⑦先生の研究分野
⑧実習体制(実習時間のカウントの仕方を注意しておきましょう)
⑨就職
⑩入試日程
⑪入試科目(英語に辞書使用可能か否か)
⑫研究計画など提出書類
⑬博士課程があるか

概ねこんなところです。後期になると、前期の合格者数も重要です。

臨床心理士指定大学院は、私たちがこの仕事を始めたころからするとかなり数が増えましたが、近年はピークは過ぎて、わずかに減りつつあるという状況です。それでも全国で180程度あります。また、公認心理師ができて以来、対応する学校とそうでない学校がありますので、よく調べておきたいところです。受験生は慎重に進学先を選ぶ必要があります。「どこでもいい」という時代ではありません。受験する側が選ぶ時代です。上記以外の選ぶポイント私見として、教員が誠実なところがおすすめです。ゆえに不誠実なところはすすめられません。例えば、教員同士が、学部の授業で互いの悪口を言い合うのはやめて欲しいです。また、教員が学生に好き嫌いを言い、合否まで言及するのも困ります。

あとは教員が学校に来ていない日が多いのもよくありません。ひどいと、週に二回か三回しかいないというケースもあるそうです。専任教員でこれは問題があると思います。また、よい指定大学院は、実習が充実しています。実習については必ず調べましょう。公認心理師ができて以来、大学院の実習時間は450時間以上になりましたので、とても増えました。多くの大学は苦労しながら、実習先を確保しています。一方で、とても実習とは言えないような雑務を実習としてカウントしているところもあると聞きます。もちろん各大学に様々な考え方があるでしょうから一概に善悪を言うことはできません。しかし、やはり多くの学生がクレームを出すところはおすすめできないのも確かです。また、人数も重要です。あまり人数が多いと、埋没してしまいますし、就職も探しにくいようです。少ないと丁寧な指導はあるけれど、忙しいです。いずれにせよ、行きたいと思う大学には何度も足を運ぶことが必須です。オープンキャンパスに行って、志望校が変わることはよくあります。
この時期、塾内外でよく質問を受けるのは、受験校の決め方以外には、受験校数についてです。これらは、入試日程が出そろってから決めていくということになります。今はまだ出ていませんので、入試日が出だすとリストを作るのがいいでしょう。そこでまずは受験校数というよりも、受験校でどうしても外せない学校を決めます。その外せない大学を、文字通り中心に据えます。その大学の日程が仮に9月第一週だとします。そうすると、その前後の入試日程を見ます。できたら、前に(つまり8月中くらい)一つは入れておきたいところです。最近はこの候補が兵庫教育大や鳴門教育大になることが多くなります。そして最後に外せない学校の後の日程をどうするか、ということになります。外せない学校の合格発表を計算した上で、学校を決めるか、あるいは、関係なく行きたい学校を選ぶかは、それぞれの価値観によります。ある意味では、最後の学校の選び方が一番大事とも言えます。このような手順で受験校を3つか4つ程度選び、そこからいくつ受験するかを最終決定します。通常は2校か3校です。以前と比べると減りました。近年は9月入試は2校という人が一番多くなっています。
是非参考にしてみてください。

また大学院選びで重要になることとして、今ある「条件」を全部テーブルに出してから、それに適合しつつ、かつ一番行きたいと思える大学院を選ぶことが必要です。以前、京都光華女子大学大学院を取材させていただきました。
こちら
私はこの大学院を「良い大学院」と考えています。別に取材を受けてもらえるからとか、そういう理由ではなく、何度お話させてもらっても、またどの先生とお話しても教育方針が一環しているのです。ブレないとでも言いましょうか。このような大学院は、受験生がその教育方針を良いと思えるならば、入学してから大変有益になると思います。また帝塚山大学の先生や事務方に塾に来ていただいたことがありますが、この大学も非常に良い大学だと思います。

しかし、一方で受験する側にも各自様々な事情があります。社会人の方で多いのは、「最短で資格がとれるようにしたい」という要望です。故に「不必要(とその人が思う)なことはしたくない。それでいい大学はありますか?」という質問をよく受けます。そのままお答えすればもちろんそんな大学はありませんが、真意を聞いてみると、やはり、もう少し深い事情がある場合が多いと思います。例えば、「仕事をしていて、あまり通えないかもしれない」ということもあります。どうしても仕事が辞められないという方には通信教育という手段もあります。関西圏では通信教育といえばまず佛教大学がリストアップされると思います。京都文教大学のように社会人入試を行っているところを狙うこともあります。このようにして条件をよく聞き、その真意をさらに聞くと、その人に適した大学院をリストアップできる可能性が高まります。
また、教育環境、次に学費、立地などから総合的に選ぶことも重要です。まず一番大事なのは教育環境と思います。教育環境と一口に言ってもたくさんの要素があります。私たちは学生満足度について着目しています。学生(特に外部からの入学)が行って良かったと言う大学は、やはり良い大学なのだと思います。この点は意外に重要で外目には見えない学内の雰囲気や、院生が積み重ねてきた伝統によって大きく変わります。だたし、この点については私たちのような業者に聞くしかわからないと思います。外から見ても、インターネット情報だけ見ても、なかなかわからないと思いますので、もし気になった方は一度お問い合わせください。京都、大阪、兵庫の大学は、それなりに情報があります。次に学費の問題ですが、安ければよいというものではありませんが、あまり高いのもどうかと思います。学費の金額は、学科の事情というよりは大学の事情によるところが大きいと思います。一つ、調べどころとしましては、学部の学費に比べて、大学院の方が学費が安いところは比較的良心的と言えます。それぞれにかかる費用をうまく計算しているからと言えます。また院生にいくらかでも返金があるシステムを持っているところもおすすめできます。よく見てみると倍ほど異なりますので、学費については慎重に検討する必要があります。


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井上博文(塾講師)

株式会社コムニタス

塾長以下、スタッフが、全ての生徒の状態を正確に把握している。生徒をよく観察し、成長度合、どのような不安や悩みを抱えているか、をしっかりと観察し、スタッフ間で情報共有をしている。

井上博文プロは京都新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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