公認心理師試験の問題の幅広さにどう対応するか?

井上博文

井上博文

テーマ:公認心理師試験対策

第5回公認心理師試験は7月17日です

第5回公認心理師試験が7月17日に実施されることが決まり、焦りの声を聞くことが増えました。
また第4回試験の点数調整は、多くの人を不安にしましたが、第5回試験でも十分起こり得ることだと考えられます。安全圏を230点満点だとして150点に設定して勉強したり、模試を受けることがスタートラインだと言えます。

公認心理師試験の特徴

私たちはここまでの試験を分析してきましたが、その特徴として、何度も言ってきたことではありますが、「幅が広い」ということです。しかし、それ以前の問題として、いずれの試験でも、確実に取れる問題はあったということです。ほぼ一般常識で誰でも解ける問題、日本語力だけで解ける問題は、難易度が低い問題です。一方で、解答が複数あるのではないかと思われる問題、あるいは解答がないのではないかと思われる問題もあったと思います。おそらく解答作成側としては、何かしらの理論武装はしてるのだと思いますが、例えば厚労省のホームページにしか出ていないような情報など、かなりミニマムなところからの引用で解答が決着するということもありました。そのため、確実に取れる問題ではないものを増やすと難易度が上がるということになります。

難易度の高い問題

では、確実に取れる問題ではないものとは、どのようなものかを考える必要があるのですが、上述以外で確実に取れる問題は、単一の情報で例えば心理学検定など、一問一答で解答が出せるものが多いと言えます。一方、確実に取れる問題ではないものは、複合的要素が強く、問題によっては、根拠の出所が複数あるときもあり、こちらから見ると矛盾があるものもあります。事例問題はそのような問題になりやすく、しっかり問題を選択肢もあわせて読み込む必要があります。その場合、結局どの情報を根拠にし得るかの判断が問われることになります。問題の難易度にもよりますが、おそらく、少なくとも第5回公認心理師試験では、確実に取れる問題だけでは合格に届かないようにセットされる可能性が高いと思われます。

幅広さとは体系的ということ

幅広いというのは簡単ですが、複合的な根拠を導ける情報量が必要ということになります。
また、例えば、複数の法律の知識が問われる問題は要注意です。このような問題は狙われやすいと見るべきでしょう。こういったことを学ぶには、かなり体系だった教材が必要です。虐待などもそうですが、子どもへの虐待と、高齢者への虐待では意味が異なりますので、このような点も幅として認識すべきです。幅広い法律の知識も早い段階でつけていきたいところです。
では、その体系的情報量をどうやって獲得するか、ということになります。参考にする資料は存在します。まずはブループリント、そして『公認心理師現任者講習テキスト』です。
ここからは大雑把に範囲となるキーワードをしることができます。

Ⅰ 公認心理師の職責
 1 公認心理師の役割―(公認心理師法からみて)
Ⅰ公認心理師法の要点
Ⅱ業務と役割についての概観
Ⅲ国民からの負託ということについて
Ⅳ資質向上の責務について
 2 多職種連携及び地域連携
Ⅰ他職種連携
Ⅱ地域連携
Ⅲチーム医療
Ⅳ連携の共通言語としての心理的アセスメント
 3 公認心理師の法的義務及び倫理
Ⅰ法と職業倫理との違い
Ⅱ法的義務
Ⅲ職業倫理的な責任
 4 心理に関する支援を要する者等の安全の確保
Ⅰ自身の専門能力の範囲内において援助を行うこと
Ⅱ自傷・他害の明確で切迫した危険への対応
Ⅲ相手を傷つけるおそれのある言動の禁止
Ⅳ留意点
 5 情報の適切な取扱い
Ⅰ「秘密を守る」ことについて
Ⅱ秘密保持の例外状況
Ⅲインフォームド・コンセントの重要性
 6 自己課題発見・解決能力
Ⅰ心理職のコンピテンシー-自己の課題を発見するために
Ⅱ職業的成長のプロセス
Ⅲ効果的な心理職の特徴
Ⅳ生涯学習

こういった言葉はそのままでるわけではありませんが、まず最初に留意しておくべきものです。その上で、ブループリントをよく見ましょう。「公認心理師の職責」関連が9%ですが、その中の③多職種連携・地域連携は、中項目が「多職種連携・地域連携の 意義及びチームにおける 公認心理師の役割」、小項目が「保健医療、福祉、介護、教育との連携」「家族との連携」「自己責任と自分の限界」「支援に関わる専門職と組織」このようになっています。公認心理師法において、この連携について述べるのは、第42条です。このようにして、ブループリントの項目の言葉と法律をしっかり連動させて勉強していくことが重要になります。こういったキーワードをしっかり習得するところから公認心理師試験の幅広さに対応できる能力を獲得しましょう。


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井上博文
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井上博文(塾講師)

株式会社コムニタス

塾長以下、スタッフが、全ての生徒の状態を正確に把握している。生徒をよく観察し、成長度合、どのような不安や悩みを抱えているか、をしっかりと観察し、スタッフ間で情報共有をしている。

井上博文プロは京都新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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