社会人の英語勉強方法

井上博文

井上博文

テーマ:確実に心理系大学院に合格する勉強方法

昨日、京都文教大学に出講していましたが、3回生の熱心な方々の姿を見ることができました。熱心と言えば、ここのところ、臨床心理士指定大学院受験希望の社会人の方から英語が苦手だという相談をよく受けています。社会人の方で英語を不安視する人はたくさんいます。時々、あきらめて、京都文教の社会人入試など英語のない受験を希望される場合も多いのですが、不安を引き起こす最大の要因はブランクです。しかし、少々ブランクがあったとしても、適切に勉強すれば、合格することができるくらいの英語力は身につくと思います。それには、適切な勉強方法とは、まず、簡単で適度な長さの文で現有能力をチェックします。チェック教材としては、速読英単語の必修編くらいがおすすめです。

まずチェック第一段階は、声に出して読めるかどうかです。意外に読めないのではないかと思います。やはり音読できないと意味も理解しにくいと考えられます。私が生徒さんと読み合わせをするときは、まずは音読してもらいます。第二段階は、最初から最後まで止まらずに読めるかどうかです。止まらずに一定のリズムで読むことが身についていると英語力は非常に伸びます。また速読にもつながります。第三段階は、全体の意味が理解できるかどうかです。よく言われることですが訳せることと、意味が理解できることとは違います。訳しても意味がさっぱりわからないという経験は誰でもしたことがあると思います。

まずこれらのチェックを終えたあと、現有の自分の力を知ることが必要です。その後にどのような勉強方法が適切かが定まってきます。社会人の方は時間に制約がある場合が多いので、時間を効率的に使わねばなりません。自分の力がわかれば、教材も決まってきます。また練習方法も定まります。私が推奨するのは、まず文法のマスターです。そのためには、英語は前から読む訓練が必要です。英文法は英語を前から読むためにできています。ですからバックして日本語に訳す癖のある人は早急な矯正が必要です。そのためにも文法を正確にマスターすれば、前からバックせずに読むことができます。これを早く習得することが勉強方法のスタートになります。

英語は文法安定度が高く、世界中の人が英語を使えるのは、文法に沿って英語を読み書きするからと言えます。その世界中の人が、英語を読み書きする際、当たり前のことですが、前から読み書きします。わざわざ後ろからバックすることはまずありえません。英語圏にはない、中国や韓国など同じアジアの人々も当然そうです。もちろん、よく言われるように、「最後は日本語力」というのはある程度そうだと思います。全部逐語的に訳して、意味不明な日本語を読むよりは、多少単語の意味の取り方は大雑把でも、よりわかりやすい日本語で書かれている方が採点官としては読みやすいのは確かです。だからこそ、正確な文法の獲得が大切ということになります。

そして文法の獲得ができた場合、次は単語かというとそうではありません。単語は文字通り二の次です。二番目は自分なりの内容理解方法の獲得です。これは早い段階から意識しておきたいところです。内容を理解する方法は、一通りではなく、いくつもあります。自分なりの内容理解のフォームを獲得したいところです。個人的にポイントにしているのは、
①導入をしっかり読む。この文が何をしようとしているかを文章化する。
②①に基づいて、何項目で書かれているかをチェック
例:問題、仮説、実験、結果
③for example系を重視する。
for exampleは、たいていの人は、「例えば」という訳はわかりますが、何の例が何個出ているかと問われると「??」となる人が多いです。これを考えて、メモを取りながら読むと、かなり読めます。また練習段階で最も基本的な方法は、映像化です。図式化とも言います。小説が映画化する事象と同じで文を理解して、さらに分かりやすくする効果があります。読みながら、絵に描いてみたり、図にしてみたりすると、読み方そのものが変わってきます。ただし、その分間違った時の被害が甚大になることもあるので、慎重にする必要があります。その他、副詞の使い方も意外に重要な役割を果たしますし、私の一押しは相関代名詞と言われるotherのチェックです。
for exampleにせよotherにせよ、「例えば」「他の」だけではまったく使えたことになりません。何の例かは、すべての文において違いますし、otherも「何以外」なのかの内容もすべて違います。これらを考えながら読むだけで、かなり良い訓練になります。またthatの使い方も重要です。先日、英語の読み合わせをしていたら、「このthatは関係代名詞ですか?」と聞かれて「いや、「あの」ですよ」と言うと、苦笑い、といったことがありました。考えすぎて、指示代名詞が思いつかない、なんてことはよくあります。that that Sunday morningときただけで、パニックになった、ということも以前ありました。前のthatは接続詞で後ろのthatは指示代名詞で要するに「あの日曜日の朝」だけのことなのですが、難解に見えてしまったようです。これらは見たことがない単語よりも出る確率は高いのは間違いありませんので確実に使えるようになったら、単語を必死で覚えましょう。




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井上博文
専門家

井上博文(塾講師)

株式会社コムニタス

塾長以下、スタッフが、全ての生徒の状態を正確に把握している。生徒をよく観察し、成長度合、どのような不安や悩みを抱えているか、をしっかりと観察し、スタッフ間で情報共有をしている。

井上博文プロは京都新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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