第4回公認心理師試験振り返り 問29

井上博文

井上博文

テーマ:公認心理師試験対策

問29せん妄について、最も適切なものを1つ選べ。
①小児では発症しない。
②注意の障害を呈する。
③早期に症状が悪化することが多い。
④予防には、補聴器の使用を控えた方がよい。
⑤予防には、室内の照度を一定にし、昼夜の差をできるだけ小さくすることが有効である。

正答は②です。
せん妄は現任者講習テキストにも出てきます。
私自身も気づききれていなかったのですが、ブループリントの「22 精神疾患とその治療」の中に「せん妄」がありません。随分前に私が現任者講習を受けたときに、せん妄は重要だと習った記憶があるのですが、ブループリントには「主な症状と状態像(抑うつ、不安、恐怖、幻覚、妄想等」となっていて、「等」の中に含まれているようです。ちょっと嫌な感じです。
心理学辞典によれば、「意識水準の軽度低下と幻覚や興奮などの精神病的症状を示す状態で、さまざまな病態に伴って見られる」「高齢者の夜間せん妄、大手術のあとの術後せん妄、アルコール依存症の患者の離脱時に見られる振戦せん妄があげられる」
現任者講習テキストには「悪性の寝ぼけ」「急に変になった」、「脳の脆弱性の表現」など、なかなか刺激的な言葉が書いてあります。また「直接因子がなくてもせん妄が出現しうる」などとも言われています。
それから考えると①はすぐ消えます。予防は(できるのか?と思わなくもないのですが)、一般に「原因をなくすこと」と言われます。そりゃそうだとはおもうのですが。④は論外です。補聴器が原因なら、補聴器メーカーはなくなっています。⑤が悩ましいのですが、よく言われるのは、普段と違うことをしてはいけないということです。だから昼夜の差を小さくするというのは、普段と違うことになるのかな、と解釈できそうです。③は、せん妄は「一時的なものが多い」とも言われますし、例えば認知症など、原因によっては早期であるかどうは、あまり重要ではないものもたくさんあります(そもそも早期がどこかがわからない)。
私はこれは一瞬で解けるということではありませんでしたが、問題を一読でわかりました。②が違うという根拠を見つけるのは難しいので、まぁ、これだろうなと当たりをつけて、あとは確認をしていきました。(自分の都合のいい解釈をしないように気をつけながらです)


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