第4回公認心理師試験が行われました

井上博文

井上博文

テーマ:公認心理師になるには

第4回公認心理師試験が予定通り実施されました。
当塾の誇る解説チームがしばらく夜を徹して頑張ります。私は足手纏いなので頑張りません。
第1問は「公認心理師法について、正しいものを1つ選べ。」でした。もちろん定番です。
①公認心理師登録証は、厚生労働大臣及び総務大臣が交付する。
②公認心理師が信用失墜行為を行った場合は。登録の取り消しの対象となる。
③公認心理師の登録証は、公認心理師試験に合格することで自動的に交付される。
④公認心理師の名称使用の停止を命じられた者は、30万円以下の罰金に処される。
⑤禁錮刑に処された場合、執行終了後1年を経過すれば公認心理師の登録は可能となる。

いきなり難問というか、間違い探し(みたい)ですね。
明らかに違うのは、①は総務大臣が違います。文部科学大臣です。
③は自動的なわけがないとツッコみたいところです。
⑤は「禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して二年を経過しない者」とあるので違うでしょう。
となると②か④ですが、これは考えないといけません。ぱっと見るとどっちも正解では?と思ってしまいましたが、
第49条 次の各号のいずれかに該当する者は、30万円以下の罰金に処する。
一 第32条第2項の規定により公認心理師の名称及びその名称中における心理師という文字の使用の停止を命ぜられた者で、当該停止を命ぜられた期間中に、公認心理師の名称を使用し、又はその名称中に心理師という文字を用いたもの。
これに沿うならば、「当該停止を命ぜられた期間中に、公認心理師の名称を使用し、又はその名称中に心理師という文字を用いたもの」が30万円以下の罰金に処されるということになります。名称使用の停止だけなら、罰金にならないと解せられます。
信用失墜行為については
32条2に「文部科学大臣及び厚生労働大臣は、公認心理師が第40条、第41条又は第42条第2項の規定に違反したときは、その登録を取り消し、又は期間を定めて公認心理師の名称及びその名称中における心理師という文字の使用の停止を命ずることができる」、とあります。
その40条が「(信用失墜行為の禁止)「公認心理師は、公認心理師の信用を傷つけるような行為をしてはならない。」
とだけあります。
長くなりましたが、②が正答と思われます。公認心理師法は定番ですし、必須ですが、法律の深い理解が必要ですのでサービス問題とは言えないかもしれません。

一方で問112
「味覚の基本味に含まれないものを1つ選べ。」
①塩味
②辛味
③酸味
④苦味
⑤うま味

思わず⑤うま味!って言いそうになりましたが、違うようです。②「辛味」は五味に含まれないようです。私が受けていたら⑤にしていたかなぁ・・昔『美味しんぼ』で読んだ、グルタミン酸とかイノシン酸とかいうやつでしょうか。これを難問と言っていいのかどうか・・

私は教育産業に30年近く携わってきましたが、試験が終わったときに、「傾向が変わった」と聞かなかった年はありません。それは私たち予備校側が「傾向と対策」を言うのが最大の問題であるので、私も無罪ではありませんが、現実問題として「傾向」ほど曖昧に割り出しているものはないのではないかと思います。とりわけ公認心理師試験は、第4回であり、合計5回しか試験がありませんから、傾向と呼べるほど、問題が出回ったわけではありません。154問×5回の770問しかありません。前にも書きましたが、現段階で問題は無限に作ることができますし、選択肢マジックを使えば、傾向という漠然とした概念を考えるのはあまり意味がないと思わせられる問題の組み立てができると思います。

公認心理師試験は、これも前に言いましたが、とてもよく設計されています。もちろん、それはブループリントに沿った形で設計されています。そのブループリントは見ての通り、全科目をカバーするものですので、ただ眺めるだけでは、意味をなしません。傾向があるとすれば、ブループリントにある程度反映されていると見るのが妥当です。ブループリントの対照は私もコラムで書いていますが、それを見ると、ある程度昨年までとの違いは反映されますし、今年も新しいワードから出題されていました。次年度もブループリントは出るでしょうから、まずは、それを過去のものと比較して、新しいワードが入っていたら、警戒することは必要です。当塾でも主任が必ず講座でそれを言いますので、今年はかなり予想が当たったと思います。

まだ私たちの中での正答が確定していませんから、はっきりしたことは言えませんが、私としては、一見した限り、例年通り(第2回以降)の難易度かなと思います。ただ、設計力は高まっているように思います。またサービス問題とそうでない問題の格差は広がっているように思います。その分中間の問題=勉強していたら取れる問題が増えたと思います。結果は、ここ2回の結果と同じような数字になると思います。


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井上博文
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井上博文(塾講師)

株式会社コムニタス

塾長以下、スタッフが、全ての生徒の状態を正確に把握している。生徒をよく観察し、成長度合、どのような不安や悩みを抱えているか、をしっかりと観察し、スタッフ間で情報共有をしている。

井上博文プロは京都新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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