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井上博文

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井上博文(いのうえひろふみ) / 塾講師

株式会社コムニタス

コラム

不誠実な応答を堂々とすすめる記事

2021年7月17日

テーマ:実は知らない面接対策・集団討論対策

コラムカテゴリ:スクール・習い事

京都コムニタスは、今面接対策に入っています。面接対策は、会話とコミュニケーションと情報提供が基本です。それからすると、この記事は心理学者がお書きになったようですが、悪夢の前政権と今の政権のやり方をそのまま推奨しており、とても支持できるものでもなければ、授業で使うこともできません。失礼ながら、心理学の理論とも思えません。久々にドン引きの記事です。
引用させていただきます。

「めんどくさい人のトリセツその1:矢継ぎ早に詰問してくる人
<特徴>
・答えられないことを質問してくる
・相手もそれをわかって質問してくる
・早口な人が多い印象
→トリセツとは取扱説明書のことだと思うのですが、この時点でトリセツになっていないことに要注意・・・だって、「めんどくさい人」基準はこの人が決めているだけのことであって、一定数いるという前提もこの人が決めているだけのことであって、事実かどうかの担保がありません。「ああいるいるそういう人」という共感がなければ、成立しない記事です。この事実や客観性よりも共感を求める姿勢を前面に押し出して、共感してくれない人々を「敵」とラベルを貼ることで「共感的コア支持層」を獲得したのがトランプであり、前総理大臣です。これは、恐ろしいことですが、総理大臣が自ら「知的」であることを放棄したことに他なりません。これを勘違いする人は「自分の目線まで降りてきてくれる」と思ってしまうのですが、もちろん、詐欺師が腰低く話すことと同じです。トランプ氏はコメディアンと言っていいと思いますが、日本人の「芸人」にもよくいますが、観客に笑顔で罵倒とも言える言葉を連射して、笑いを取る(取れてしまう)いじくり芸人です。これは一種の才能で、学校でもよくありますが、同じことを才能のない人がやると、単なるいじめであり、他人はとても不愉快に思います。日本の前総理大臣は、これにイデオロギーを色濃く出すことで、自分のトランプ的才能のなさを力ずくで補っていました。笑ってくれないと敵とラベルを貼り、徹底した冷徹な攻撃をすることで、相手に恐怖を与えることも忘れなかったのです。政治を持ち出すならば、本当にめんどくさい人は、トランプ氏や前総理大臣だということを忘れてはなりません。
この方は
「私は、あまりテレビの国会中継を見るのが好きではない。
とくに、野党の政治家が、重箱のすみをつつくように質問攻めにしている様子は、お世辞にも上品とはいえない。文句をいって、政権与党のイメージをくずそうとするのも野党の仕事だということはわかるのだが、「相手をやっつけるためだけにしている質問」をくり返しているような気がする。私はそういう場面をあまり見たくないので、しずかにテレビを消してしまう。」
→ここで忘れてはいけないのは、政治の場合、「最後は必ず与党が勝つことが決まっている」ということです。野党は与党に何とかして野党を支持した国民の声を届け、妥協させることが仕事です。どちらが勝つかわからない、対等な議論であるならば、単に相手をおとしめるような手法はとても下品であることはそうですが、これは見ている人は見ていますので、あまり恐れる必要はありません。

「では、こういう手合いを相手にするときには、どうすればいいのだろうか。
英国ヨーク大学のピーター・ブル博士は、質問をじょうずにかわすことで有名なサッチャー元首相のインタビューを研究し、いくつかの有効な方法について明らかにしている。」

→繰り返しですが、心理学者が安直に政治家の手法を正しい方法であるかのように言うことには強い違和感を覚えます。ヒトラーを始めとして、政治家の手法など禁じ手が多く、参考にすること事態問題があります。前総理大臣もそうですが、彼らは、自分の弁舌の才能だけで勝負しているわけではありません。あたかも「メディアと戦っている」「メディアに攻撃をされている」という形を示して、実はメディアを抱き込んで、何ならNHKや吉本やジャニーズや電通まで懐柔することで、自分に都合の悪い情報を封鎖し、自分に都合のいい情報を流させるわけです。ほぼ暴雨力です。こういった技がメインの政治家の弁舌の手法など取るに足るものではありません。マイクロトラウマにも言及していますが、こういった目に見えない傷は。こういう連中につけられるのだということを忘れてはならないのです。

「ひとつめの方法は、相手の質問に攻撃をする方法だ。

「それは仮定の話にすぎませんよね。仮定の話にはお答えできません」
「その質問は、まちがった前提に立っていますね」
「その質問は、不正確ですね」
「その質問は、いまの状況とは、ぜんぜん関係がないですよね」」

→これぞ前総理大臣と現総理大臣の手法です。これに不愉快を覚えないと思う方がどうかしていると、少なくとも私は思います。自分がめんどくさいとラベルを貼った人には誠実に答えなくていいというルールがまかり通るという思考がなければ、こんなことは言えたものではありません。はっきり言っておかねばならないことは、「どんな人にでも誠実に答える」です。当たり前のことです。通じるかどうかはわかりません。前総理大臣に、精一杯の誠意を持って話しても、敵視されてヘタをすると命を奪われかねませんので、おすすめはできませんが、運悪く、こういった人物と関係しないといけないこともあります。それでもなお「どんな人にでも誠実に答える」でなければならないのです。こちら側は、相手がどうあれ、誠意を尽くさなくていい理由などないのです。是非想像してみて欲しいのですが、逆に前総理、現総理、現官房長官の3人すべてが自分の上司なら、会社や組織はうまくいくだろうか、と。私は確信を持って、「絶対に失敗する」と断言します。

もう不要かと思いますが見過ごせないのでもう一つ
「さらに、相手に質問をさせないという方法もある。
「なるほど、ですが、私の話はまだ途中ですから」」

こういって、党首討論で勝手にしゃべって時間切れを狙う手法ですが、こんなものも政治の場はともかく、一般人が使って良い手法であろうはずがありません。周囲に相手が「めんどくさい人」という根回しができていることが前提があるなら、技術的には可能ですが、多くの人が不快に思うのは、相手に質問をさせず長々話す人であることは古今東西の常識です。話が長いと言われる人ですから。

少なくとも面接では使える話ではありませんので、よい子と普通の大人はまねをしてはいけません。


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