『公認心理師試験合格の実像(リアル)』が出版されています
十分に周知のことと思いますが、公認心理師試験は事例問題が1問3点です。満点230点の配点の約半分(114点)が事例問題になります。そのため、点数を取ると大きいですが、間違っても落とす点数が大きくなりますので、破壊力は抜群です。だから、事例問題の解き方に関する質問はたくさんいただきます。確実に点数を取ると、一気に合格に近づくのですが、そう簡単ではないようです。ちなみに私は、後半問題の最後から10問くらい事例問題が連続して全部「当たり」(正解とは言い難いものも含む)、そこまでギリギリの戦いだったものが、勝ちに転じました。
事例対策は、実はあまり教材がありません。できれば当塾の事例模試も受けていただきたいと思います。また元創価大学教授山口勝己先生が、辰巳法律研究所から、2020年最新版「事例問題の解き方本PartⅢ」を出しておられます。これも数少ない事例に特化した書籍となっており、とても評価の高い本になっています。今のうちに事例問題に慣れておくことはとても重要です。是非ご覧いただきたいと思います。
事例問題は対策がとても立てにくく、心理の資格の問題でこんなにたくさんの事例問題が出ることはありませんでした。これは出題する先生も問題作成が大変です。京都コムニタスも古宮昇先生にたくさん作っていただき、かなりのご負担を強いたことがありました。1回の試験のために一体何問の問題を作るのか、ということにとても興味がありますが、先生方の負担はとても大きいと思います。また試験問題を完成させるにあたって、相当練り込んだ形にして仕上げるはずです。そのため、日本語からしてかなり完成度が高いことが特徴になります。悪く言えば罠がいっぱい仕掛けられていると見ていいでしょう。また例えば今年のコロナの問題のような社会問題は出るか、という質問はよくいただくのですが、私としては、あまり出ないのではないかと思っていました。しかし、2年も続くと、何らかの想定が必要かもしれません。もちろん、衝撃が走った第1回公認心理師試験の第1問サイコロジカルファーストエイドのように、これは事例ではありませんが、この国には災害が増えている現状を踏まえたような問題はありえますが、コロナだけピンポイントの問題を問うというよりは、より一般化された事例、例えばトイレットペーパーを買い占める人がいますが、そういう人やそれを許せない人について、何らかの事例が生じうるかもしれません。
事例対策のその1は、日本語力です。日本語の中に罠があるともいえますが、言い方が非常に緻密です。問題文も大切ですが、選択肢にも罠がいっぱいですので、気はぬけません。また日本語力で解ける問題も第1回試験からすると減りましたがいくつかはあります。要は138点以上とるわけですので、確実に取りたいところです。しかし、実際はあまりそのような問題だけでは、点数は不足しています。そのためより確実に点を取るためのポイントを押さえておく必要があります。そこで対策その2として、クライエントが誰か、主訴が何かを明確にすることです。これらによって問題の趣旨が大きく変わります。例えば、虐待というキーワードが出たとしても、高齢者と子どもとでは意味が違います。
次にその3として、時間概念も大切です。問題はいつ起こっているか、例えば虐待の通報はいつ行うべきか、今ここの喫緊の問題は何かをつかむことも大切です。
最後に、公認心理師試験は高齢者に関する問題がたくさん出ますし、今回のブループリントの変更点からも、第4回試験もそれなりに出ると見込むのが妥当です。山口先生の書籍も含めて、高齢者に関する事例問題を想定すると、ある程度の点数になると思われます。
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