公認心理師試験 北海道試験の解説本ができました
以前書いたコラムの続きです。何度か言ってきましたが、この公認心理師試験対策は、大変難しいものです。以前、日本語力の重要性について連載しましたが、現実問題として正確な知識が問われると、試験に弱い人は実力が出せないということもあるでしょうし、最終的には、運と気合いと日本語力だけでは138点に届かないように設計されていると思われます。そのため、ある程度長期プランの対策が必要であることは明らかです。また、第3回までの試験で明らかになりつつあるのは、国側が求める公認心理師像です。それはやはり臨床心理士とは異なるもののようです。ですから、やはり法律の知識は必須になります。加えて、心理学の基礎の知識、テストの知識、事例の読み解きによる複合的知識の駆使。このあたりができれば概ね合格点に届くように思えます。
では、具体的にどんな勉強方法を取ればいいのかについて考える必要があります。次回テストは9月に決まりましたから残り期間は半年ありません。勉強時間は少ないと見ておきましょう。
教材は是非、当塾のものを、と言いたいところですが、当塾の教材は全科目に対応しており、可能な限り最新情報を盛り込んでいます。品質の高さは誇りとするところです。ですが、今はおくとして、
まず無料で入手できる教材は過去問とブループリントです。これはこれで重要な教材であることは間違いありません。現任者講習テキストは、いつも強調されることではありますが、試験対策用ではありません。特に第2回試験以降は、現任者講習テキストでは対応はできないと思います。しかし、第4回試験が初めての受験になる人は、やはりこのテキストは見ておくべきだと思います。最新の現任者講習テキストは、第1回試験の問題とブループリントも掲載されており、これが一冊あると、試験の全体像を俯瞰するには適していると言えます。ただし、これだけでは合格には届かない可能性が高いでしょう。それでも全体像を俯瞰する作業は非常に重要です。それによって何が問われるのかがある程度わかります。正確には相手方が何を問いたいのかがわかるということです。そのため、より詳しい全体像がわかるテキストがもう一つ欲しいところです。
現在出版されつつある公認心理師試験対策テキストは、公認心理師試験のあまりの幅の広さに全体像を描くと分厚くなり過ぎるので何かに特化したものか、あるいは分冊して出版せざるを得ない状況です。私はあまり固有名を出さないように心がけていますが、あえて出すと、学研の『公認心理必携テキスト』は現任者講習テキストを一通り見た人はこれに続くと良いと思われるものです。もちろん、これで合格ということではなく、①過去問分析②現任者講習テキストで全体像の把握③必携テキストでさらに詳細な全体像の俯瞰をすると、かなりイメージができてくると言えます。またそこから、自分が何をどう勉強すれば良いのかの計画がたてやすくなると考えられます。
まずはここから着手するのが良いと思います。
次に勉強すべきは、やはり公認心理師法と、関係行政論です。これは出題箇所がある程度限られることと、勉強すべきポイントも、受験教材ではたいてい指摘されています。これを勉強して、無駄になることはまずありませんので、点数を取る勉強としては、筆頭にあげられます。
次に過去のものでもいいですし、当塾では、基本問題模試も実施していますが、こういった模擬試験を受けてみて、と点数が取れる分野と取れない分野を理解しましょう。私個人としては、4月の段階では、点数になるものをより強くしていく、つまりその分野の問題をたくさんといて解説を見るのが良いと思っています。しかし、ここは意見が割れるかもしれません。
ブループリントでは24の大項目がありますが、20科目以上あると、全部カバーするのは現実的ではありません。どうしても苦手な分野(捨てていいというわけではありませんが)が出てしまうのは無理からぬことです。そのため、次の作業では、苦手な科目はいったん切り分けましょう。模試の分析では、多くの場合、⑤ 心理学における研究 ⑥ 心理学に関する実験⑯ 健康・医療に関する心理学 ⑰福祉に関する心理学 ㉑ 人体の構造と機能及び疾病、あたりが点数が低いところです。特に⑤⑥は出題率も2%ですし・・・・苦手なら無理しなくても・・と思わなくもないですが、これは模試分析の一般論ですので、個々人の苦手、得意を言うものではありません。
ここまで見てから、今度は、育てれば点数になる分野を探します。最終的にはここで選択した分野が合否に大きく関わることになると考えられます。
ここまでをまとめると、まず①日本語力と気合いで取れる点数②法律系(関係行政論含む)。ここまでは誰でも見込める点数になります。ただし、138点のうち40点を見込むのは危険だと思います。残り100点以上をどう取るか、という計算になります。その100点を取るための勉強としては、やはり取れない分野から取ろうとするのは合理的とは言えず、確実に点数になる分野を模試等で見つけること、なければ作ることが求められます。
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