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井上博文

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井上博文(いのうえひろふみ) / 塾講師

株式会社コムニタス

コラム

論点ずらしへの対処法

2020年11月6日

テーマ:小論文対策

コラムカテゴリ:スクール・習い事

学問に携わる人間は、基本的に論点ずらしをしません。もちろん例外はいますが。また私が裁判をした人は、裁判官がいくら論点を定めても無視して、自分の言いたいことらしき都合のよさそげなこと(実際には都合が悪いはずのこと)を無軌道に言っていました。要は私をさらに誹謗中傷したかったのでしょうし、それで裁判に勝てると都合よく思い込んだと考えられます。裁判は裁判官の定めた論点に沿うのが当然のことです。今の政治家はご飯論法に代表されるように論点ずらしが仕事です。論点ずらしの手法は前回述べました。ただし、この手法は、政治家に限らず、たいていは自分の都合の悪い時に発生しますので、個人レベルでも、実際のところ、私もやりますし、いくらでも周囲で見られるものでもあります。裁判でもそうですが、「自己の利益」を守ることは必要ですし、自己の不利益になるくらいなら論点の幅を広げたり、逆に狭めたりして、論点ずらしを行うことはあり得ますし、逆に余計なことは言わないということもあり得ます。ただし、そこにも一定のルールがあり、嘘をつく、事実を無視する、証拠を改竄するなどといったことはやってはいけません。論点ずらしというコラムでも書きましたが、より質の悪い論点ずらしは、「事実を無視しながら」「自分(とその味方)だけが事実」だと「根拠なく」主張(騒ぎ)し、「相手の話を一切聞かない」ことを恥ずかしいと思わない人に生じます。アメリカ現大統領は、新型コロナで大量の感染者と死者が出ていることを言われると、1月から同じ主張をしていますが、2月10日には「ウイルスは4月までに、奇跡的に消えるだろう」と述べ、2月27日にも「ウイルスはある日、突然奇跡のように消え去るだろう」7月にも同じことを言っていますが、もちろんコロナウイルスは消えていませんし、感染者も死者も増えて、23万人が亡くなったとも言われます。これだけでも本来あってはならないことですが、問題はここではありません。学術会議問題にも共通するのですが、このコロナ問題の場合、本来アメリカでの23万人の死者に対して誰がどう責任を取り、どのような反省をして、これからどうやって、感染者や死者を減らしていくのか、それでいて経済とどう折り合いをつけていくのか、という難問に取り組んでいかねばなりません。そうであるにも関わらず、大統領をはじめとして、異様なまでにこの人物にすり寄る人たちは、例えば「中国ウイルス」という言葉を使い、自分たち批判をそらそうとします。学術会議問題は、総理大臣が任命を拒否した理由が問題であって、他は後付けの問題です。それを論点すり替え隊たちは「学術会議のあり方」「予算」などと、別の話を始めて、それが最初から論点であったかのように話をすり替えていきます。しかし、これは学術に携わる人たちには通用しないでしょう。おそらく学術会議側は、また同じ人を推薦するでしょうから、次も拒否すると、いよいよ理由を言わないわけにはいかないでしょう。あるいはこそっと取引をして、「学術会議の体制の見直しの兆しが見えたから、今度は任命する」くらいを落とし所にする可能性もあります。さっさと終わらせた方が良い問題であることは間違いありません。しかし、総理大臣すり寄り部隊たちは、自分たちが騒いだことは知らぬ顔をして「さっさとこの問題を終わらせろ」「他にやることはないのか」などと、あたかも野党が問題であるかのように言いますが、これも今のところ通用していません。総理大臣が任命すれば終わる問題であることで論点が維持されているからです。
このように論点ずらし隊が、頑張って論点をずらそうとしても負けずに論点を維持することが最良の対処方法です。
アメリカは、大統領が「不正が行われている」「開票するな」などとツイッターに投稿しているそうですし、会見では、「合法な票をカウントすれば私が余裕で勝つ。違法な票をカウントすれば、彼ら(民主党)は選挙不正をしようとしているということになる。多くの票が遅れて届いている」などと述べているそうですが、テレビ局が放送を打ち切ったそうです。こういう強行的な方法に出ざるを得ないくらいひどいのでしょうが、これも対処方法の一つと言えます。根拠なき論点すり替えに注視して、論点を維持するようにしましょう。



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